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ガールズ&パンツァー SSまとめ
園みどり子(そど子)と冷泉麻子
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間かけるつもり?」
「全集は5冊あるが――まぁ1冊20分もあれば十分だろう」
「……でえいっ!」
「あ、こら、止めろ! そど子!」
 そど子は麻子を椅子から引きずり上げ、2つ並べた布団の片方に押し倒す。
「何をする」
「寝るのよ!」
「私とそど子がか」
 ニヤリと笑う麻子に、そど子が言葉の意味に気付き顔を真っ赤にした。
「そういう意味じゃないわよ! 電気消すわよ! 目覚ましは3つ仕掛けたから明日はちゃんと6時に起きる! いいわね!」
「はいはい」
「はいは1度だけ!」
「はーい」
 麻子が布団にもぐり込んだことを確認してから、そど子が部屋の明かりを消した。


「……う、……うぅ、うそ……」
 そど子が、微かな泣き声に気が付き目を覚ます。
「?」
 隣で寝ている麻子の顔が酷く蒼ざめ、涙を滲ませている。
「パパ……? ママ……? 嘘、嘘だ……」
「れ、冷泉さ――」
「嘘だぁっ! いやだぁぁぁぁぁl!!」
 真っ赤に濡れたカッと目を見開き、麻子がいきなり跳ね起きた。
「あ……」
 がくりと肩を落とし、首を垂れ、ぐすっ、と鼻をすする麻子が、隣にいる人の気配に気づく。
「あの、れ、冷ぜ――」
 彼女はそこにそど子がいるのを完全に忘れていたかのようにおののき、それから怒りをあらわにする。
 低い声にドスを聞かせて、ぽつりと言い放った。
「出てけ」
「え?」
「なぜそど子がここにいる。出てけ」
「あの、だから、あなたがちゃんと朝起きられるように生活指導……」
「出てけっ! 人のプライベートに土足で踏み込むな! 出てけ、出てけぇっ!」
 どさっ、どさっ。ばすっ。
 両目から大粒の涙をこぼし、そど子に何度も枕をぶつける。
 涙声が上ずり、激しく取り乱す麻子に、そど子はされるがまま黙って枕をぶつけられ続けていた


「……ぐずっ、出てけ……ううっ」
「冷泉さ――麻子?」
「触るな!」
「!」
 その場にうずくまり泣き震える麻子に近づきかけたそど子に、刺々しい声が突き刺さる。
 自分の手に覆いかぶさるように近づいてきた手を、荒々しくはねのけた。
「…………」
 長い沈黙と微かに漏れる鳴き声が止む。麻子が、小さくか細い声で呟く。
「朝が来なければ、いいんだ」
「麻子?」
「朝が来なければ、夜眠る必要も無い――ずっと起きていられる」
「そういう訳にもいかないでしょう、麻子」
「それか――夜が来なければいい。夜眠らなければ……眠らなければ……うう、う、うぇっ」
 身を起こしかけた麻子が拳を握り締め、布団に滴を零す
「ちょ、ちょっと……!」
「帰ってくれ、あまり人に見せたいものじゃないんだ」
「……あなたに何が有ったかは聞かないけど、泣いている子を一人にするのは、風紀委員……い
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