STUDENT
ep.003 箱部 鈴菜(ブレイカー)
[1/2]
[8]前話 前書き [1]次 最後
6月20日。
野口は神薙と一緒に神薙が連れてきた2人の身元を確認していた。
1人は服がボロボロになっている少年で、
もう1人は額がほんのり赤く腫れている少女だった。
どうやら神薙のほうも発見した際に戦闘になったらしく、
2対1の戦闘で見事に勝利したそうだ。
「こっちの男が"騎城 優斗(きじょう ゆうと)"で、
こっちの女が"七草 花夜(ななくさ はなよ)"だ。 間違いない。」
資料の顔写真とも一致したので間違いはないだろう。
しかし、それは騎城のみだった。
何故か七草に関してはほとんどの情報がなかった。
それこそ顔写真すらもだ。
「俺の推測なんだが、七草と戦った時にこいつは姿を消したんだ。
多分、光の調節とかの類いで消えたんじゃない。
だって、攻撃が目の前にまで来ないと気配を感じ取れなかった。」
野口の推測も神薙と同様だった。
何しろ彼女の能力の名前は"無感存在(ノーセンス)"というものだ。
おそらく熱、赤外線、紫外線、臭い、姿をすべてにおいて感知できなくする能力。
それがノーセンスだと野口は考えていた。
ガチャ
突然、STUDENTの基地の扉が開いた。
野口と神薙が慌てて向かうと、基地の入口で1人の女性が立っていた。
「あ、向子さんじゃないか。」
ちなみに野口が呼んでいる"向子さん"という人物は"島崎 向子(しまざき こうこ)"という女性で、
第0学区の組織に所属している者ならおおかたの人が彼女を知っている。
単独の情報屋をやっており、欲しい情報も彼女に頼めば基本得られる。
最近は第0学区にあるアカウントという巨大情報屋組織に所属しているという話だが、
ただ欲しい情報を貪っているだけという説もある。
「今日はね、君たちに手紙を届けるように頼まれたんだ。
送り主は個人情報の漏洩になるから伏せさせてもらうよ。」
向子はそう言って、手紙を野口に渡すと行ってしまった。
野口はうっすらと警戒しながらその手紙を開いた。
手紙には1行分の文が書いてあるだけだったが、野口は驚いた。
文の内容はこうだった。
【明日、君がよく訪れるカフェで待っている。 時間は10:00遅れるな。】
手紙を持っていると紙のしたのほうに凸凹があるような感触がしたので、
まさかと思い、手元にあったペンでその辺りを擦っていると、
待ち合わせ場所の周辺の地図が浮かび上がってきた。
「これは.......果たし状か何かか?」
神薙が野口に問い掛けたが、野口の返事はなかった。
おかしく思って神薙が野口を見ると、野口は笑みを浮かべていた。
「誰か僕のことを観察していたんだね。 僕も気づかなかったよ。」
野口はとても嬉しそうだったが、神薙と桐崎には罠にしか見えなか
[8]前話 前書き [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ