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八神家の養父切嗣
三十三話:傍に居る人
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 周囲からは腐れ縁と言われるが自分にとっては運命の出会いと言っても嘘ではないだろう。自分の人生の中でティアナに出会えたことは最上級の宝と断言できる。

「さ、起きたなら朝食でも食べに行きましょ。あんたのことだからお腹は減ってるんでしょ」
「えへへ、実はしっかりと」
「はいはい。なら顔洗ってきなさい。先に着替えて待ってるわよ」

 そっぽを向いて手をヒラヒラと降るティアナを長々と待たせるわけにもいかない。そう思ったスバルは急いで顔を洗い制服に着替える。あの男が口にした機械という言葉は恐らくは自分の体にまつわる意味合いではない。もっと精神的なものだ。

 しかし、だからといってティアナの優しさが薄れるわけではない。恐らく彼女は心が人間になれない自分もそういった人間が居てもいいと受け入れてくれるだろう。彼女が居る限り自分は人間でいられる。そんなぼんやりとした確信をスバルは持っていた。

「あ、大事なこと言い忘れてた」
「何、ティア?」

 若干慌てたような雰囲気を醸し出すティアナだったがそれも一瞬で終わる。恐らくはすぐに言わなくてはならない類のものではないのだろうとスバルは呑気に考えながら尋ねる。それが彼女の目下の悩みに関係するものだとも知らずに。

「八神部隊長が時間のある時でいいから私達フォワード陣4人と話したいって言ってたわよ」

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