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アインクラッド篇
断章 南十字の追憶
邂逅、そして誕生
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て有って無いようなものだ。

「いい加減にしてくれ!俺を振り回して何が楽しい!!」

「………楽しんでるのは君じゃないのか?」

「あぁ?」

「普通、あそこまで心が荒んでて、ここまで振り回されてくれないよ?」

「それは………姉貴の影響で、頼まれたら断れないんだ。」

「……だけかい?」

「………何が言いたい?」

「君の本質はきっと、無鉄砲で、お人好しで、口が悪くて、どんな時でも楽しむ。まぁ楽天家だ。」

「………は?」

「そんな君がどうしてこうなったのか、無理には聞かないよ。でも、何か有った事位は分かる。」

「…………。」

「君は、砕けた星屑だ。大事な何かを失って、虚空をさ迷う小さな星屑。私が創るギルドは、そんな星屑達を集めたい。立ち直る第一歩位は、他人から与えられてもいいだろう?」

「…………。」

ああ、だからこの人は嫌いなんだ。強引で、他人を振り回して、でも、真っ直ぐな優しさを持っていて………。

姉貴に似てるから、だから嫌いなんだ。





sight三人称

それから暫くして、アインクラッドの片隅で小さなギルドが産声を上げた。メンバーは六人、それぞれ一癖も二癖もある面子だ。そのリーダーは、銀髪でゴスロリのカタナ使い。副長は黒革のハーフコートで、片手剣と両手剣を使う奇妙な剣士だった。


名を、星屑之歌と言った。



断章 南十字の追憶 了 2016,3,24
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