暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第五話 学生生活
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……私のこと、覚えてない?」

 今まで気配や感情が読めなかった彼女の視線と表情から、ようやく一つの想いが伝わった。

 期待と感動。

 そして感極まってか、その瞳からは涙が流れそうになっていた。

「……あ」

 目の前の表情と、逢沢と言う苗字。

 そして甘えるように抱きつく光景と、先ほどから感じていた懐かしさ。

 全ての点と点が、一本の線として繋がった瞬間、俺の脳裏に一人の幼女の面影と目の前の彼女が魔法のように一致した。

「もしかして――――雪鳴(せつな)?」

 数年ぶりに呼んだ幼馴染の名前に、目の前の彼女が嬉しそう頷いた。

 そしてふっと微笑を浮かべる。

「黒鐘、久しぶり」

 彼女――――逢沢(あいざわ) 雪鳴(せつな)は周囲の視線を一切無視し、そのまま俺の胸に顔を擦りつけてきた。

 それはどこか犬猫のような甘え方で、周囲の嫉妬、好奇の視線さえなければ頭を撫でていたような可愛さすら感じる。

 雪のようにクールで、落ち着いているのが印象なのに、俺や親しい相手にはこうして甘えん坊な彼女。

 数年……正確に言えば五年。

 五年と言う月日で成長した雪鳴との再会に感動しつつ、俺はこのあとクラスメイトになんて言い訳をしようか悩むのだった。

 ……ホント、この世界は俺を退屈させてはくれないらしい。
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