スカルフェイス
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ト側に雇われた? もしそうだとしたら、彼女と戦わなきゃいけないのか……。いや、そもそも敵は本当にテロリストなの? 後ろ姿しか見ていないけど、あの人達からはどうも悪人って感じがしなかった。そして何よりあのサイボーグだ。私達を簡単に倒した圧倒的な強さを持っていながら、なんでアイツは私に『家族の下へ帰れ』だなんて……。それに完全体とか、私自身の運命とか……アイツはどういう意味であんな事を? ただ一つ言えるのは、アイツは明らかに手加減していたことだ。本気で倒す気なら、私達は既にこの世の存在じゃなくなっている。銃撃も麻酔弾じゃなくて実弾を使ってきたはずだ。状況的には間違いなく敵であるはずなのに、そうしなかったのはなぜ? ……もしかして私、何か決定的な見落としをしている?)」
思考の坩堝に陥っている内にフェイトは都市中央部で建設途中の支局へ到着した。実は隊舎もこの中にある支局は、フェンサリルを管理世界にした暁に正式稼働する予定となっている。なお、ノアトゥンの住人は気に入らない様子を見せているが、何かしようとする気配は見られないので管理局上層部は気にも留めず放置されている状態だ。
そんな事情も知らないフェイトは、彼らの不快なものを見るような表情に首を傾げながらも、戦闘の疲労もまだ色濃く残っているのでとりあえずそのまま自分の部屋で横になる。
「(よくわからないけど、この世界で何かが起きているのは間違いない。それを知るためにも、私は何としてもあの人達と話をしたい。もし2年前のような事が起きているのなら、今度は私も手伝いがしたいもの。帰らなかった事で怒られそうだけど、一応局員として仕事で来ているんだし……しょうがないよね?)」
当人達にとって非常にはた迷惑な結論を出してしまったフェイトだが、その想い自体は純粋なものだ。決して悪気は無い。しかしそういう純粋な感情は逆に利用されやすいのが、悲しき世の常である。そして偶然とはいえ、忠告を受け入れなかった事は後々耐え難い後悔を抱かせることになるのを、彼女は気付く由も無かった。
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新暦67年9月18日、2時13分
ミッドチルダ南部、テスタロッサ宅。
プレシアの身体に宿る病が末期まで進行した事で、彼女の容体を少しでも落ち着かせるために昔住んでいた環境とほとんど同じである家屋で、彼女はアリシアの看病の下で療養していた。なお、アルフはここと地球の家の掃除や雑用を担当しており、昨日から地球の家の方に行っている。ある意味マキナ達とすれ違いになった訳だが、彼女達に会うつもりはなかったので、居ようが居まいが関係無かった。
ともかくこの日は病気の発作も特に起こることなく、至極穏やかに過ごせた。……そのはずだった。
「……あら? なにかしら……今夜は妙に
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