スカルフェイス
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してしまったのだが……ニダヴェリールを管理下に置く功績は手に入れられた」
「ッ!? じゃ、じゃあ……父さんと母さん、シャロンやアクーナの皆をあんな……酷い目に遭わせ、私を11年間……地獄に落とした全ての元凶は……!!」
「お前の考えた通りだ。13年前の闇の書事件でニダヴェリールを戦場にしたのは、この私だ」
衝撃の事実を告げられ、マキナの目に抑えがたい憎しみの炎が蘇る。自らの目的のために彼女が大切に思う人達の故郷を犠牲にしたと言うこの男に対し、許せないという感情が湧き上がってきた。
「闇の書の入手は失敗したが、お前達の犠牲のおかげで私は別の力を手に入れた。それと副次的だが、新たな“報復心”を植え付ける事も出来た。部下の死に責任を抱き、闇の書に報復する計画を練り上げた上司。父親の犠牲に力不足を嘆いた母親と息子。そして母親を含む全てを奪われたお前。“時代”は常に人の報復心で動かされているのだ」
「ッ……!」
「それからも私は水面下で活動を続けた。今度こそ確実に我が物とするべく、闇の書の次の寄生先が天涯孤独の身の上になるように手を打ち、“報復心”を持つ者にリークして代わりに監視してもらった。覚醒を含めた事案が終われば、最終的に私の下へ渡る計画を用意したのだ」
「八神も……!?(確か八神の両親は事故死だった……いや、そうなるように仕組んだのか……!? 考えてみれば、あのジジイが広い次元世界で八神を見つける事自体おかしい。言い換えれば、砂漠の中で一粒の砂を見つけるようなものだ。じゃあやっぱり……!)」
「計画こそあの少年のせいで失敗に終わったが、結果を見ればむしろ好都合だった。私がわざわざ手を下さずとも、お前達は管理局への“報復心”を増大させる手助けをしてくれた。お前達の行動は全て、私の計画への協力でもあったのだ」
「全部、貴様の思い通りだっただと……! ふざけるな! 私は……私達はサバタ様の遺志を受け継いで、未来に命を繋ぐために戦ってきた! それは決して、貴様なんかのためじゃない!!」
「何とでも言えば良い、所詮は負け犬の遠吠えだ。私が植え付ける報復心は人々の体内に寄生する。もう誰も消すことは出来ない。サヘラントロプスが報復心を未来にうち放つのだ」
「キサマァアアアアアッッ!!!!!!」
――――ズドンッ!!
一発の銃声の後、血飛沫で床が真っ赤に染まった……。
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