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リリなのinボクらの太陽サーガ
スカルフェイス
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型化して搭載したメタルギアを全ての世界に売り渡す。拡散したソレが世界と世界を隔たりなく等号(イコール)で結ぶ、平等にな。他には何も共通存在はいらない。あらゆる世界の勢力は互いを認め合うしかなくなる。人々は自らの痛みを飲み込んで、失われた手を互いに繋ぐのだ。『世界はひとつになる。その為の戦争は平和である』」

怨霊の如き憎悪が込められた宣言に、無意識の内に気圧されてたまらず一歩後ずさるマキナ。ともかくこの男の計画を簡単に示すと、魔導師を“虫”で、管理局を“報復心”で殺す事で全ての世界を個々に分裂させ、それぞれ世界を滅ぼせる兵器を所有する事で互いが互いを侵略しないための“抑止力”とする。いわば国と国の間で働く核抑止論の規模を大きくし、世界と世界の間で働くという形にする訳である。

魔導師や魔法に関わる者は全て変異するという犠牲こそ払うが、その代わりこの抑止が崩れない限り、生き残った者達にイモータルが襲撃してくる事は無くなる。彼らの死を以て、人類の滅亡は回避される訳だ。

彼の話を聞きながら通路を歩き続けたマキナ達は、やがて次元航行艦が一隻入れるぐらい広い空間の上を貫く連絡橋へたどり着いていた。眼下には巨大な重火器やレールガンらしきものの部品が置かれており、中央には分解された巨大な二足歩行兵器が鎮座されていた。

「あれは……もしかして写真にあった……?」

「世界が進化した“サヘラントロプス”を知るとき、終末時計の針はゼロを踏み越えて動き出すのだ。サヘラントロプスが、その偉大なる第一歩をこの大地に踏み打つ。それは言葉、文化、歴史、権利を蹂躙された全ての世界の、独立を知らせる鐘なのだ」

「サヘラントロプス……それが新型メタルギアの名前か。……じゃあ今見えている兵器は一体何に使うつもり?」

「一言でいえば部品だ。元はメタルギアZEKEと呼ばれた二足歩行兵器だったが、長年海底に沈んでいた影響もあり、そのままでは使い物にならない。しかし今の時代でも特筆すべき武装が搭載されてあるのも事実。だからそれを再利用してやろうというのだ」

「ZEKE? その名は確か日本の零戦に米軍が付けた呼称でもあったような……ん? これってゼロを踏み台にサヘラントロプスは立ち上がる……そういう意図も込めていたりする?」

「中々察しが良いな。お前とは想定外に面白い話が出来たが……時間だ」

「ッ……!?」

刹那。迫りくる殺気に気付いたマキナは背後から振り下ろされたマチェットの刃を横っ飛びで回避した。気づけば通路の両端に髑髏が全部で4体現れており、挟み撃ちの状況に追い込まれていたのだ。

「貴様……いつの間に!」

「侵入者に容赦は必要ないだろう? 私の“鬼”を教えてやったのは、ただの興味に過ぎない。だが安心しろ、辺境伯がお前に執着を抱
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