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リリなのinボクらの太陽サーガ
スカルフェイス
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られないからではなかった。

「……壊れている、か。じゃあこの“答え”が浮かんだ私は、何かが壊れているのかもね」

「ほう? お前は答えが出せるのか。興味深い、言ってみろ」

「私の答えは簡単だ。人類なんていつかは滅亡するんだから、見ず知らずの他人より大切な人が出来るだけ長く生きられるように自分の命を捧げる。だから十万人も十億人も、結局私の答えには関係ない。人類の滅亡なんてどうでもいい。大切な人だけ生きていれば、私はそれでいい」

「究極的に自分本位の答えだな、それは。しかし答えを出せた時点で、お前は“こちら側”の人間だ」

「そう、私の本質は結局ろくでもない物なのさ。でも、それがどうした?」

「開き直ったか?」

「違うね。ろくでもない本質でも、考え方次第で如何様にも変わるだけだよ。ま、今回の場合は大切な人が犠牲にされる側に入っている以上、他の人類は見捨てるかもね」

自嘲気味に笑うマキナの様子を、服の中に隠れているアギトはどことなく不安げに見つめる。彼女は最近のマキナから不安定な精神というか、どこか壊れた本質が垣間見える事が多くなっている。この髑髏顔の男の問いを跳ね除けたのはいいが、その分マキナが更に壊れていく姿を、アギトは自分の事の様に痛々しく感じていた。

「クックック……中々面白い壊れ方をしているな、お前。失くしたものを憎しみではなく、他者の精神で緩和している。お前は“鬼”ではない、どちらかと言うと“影”に近い」

「フッ、(ファントム)ね……。それで? 話を戻すけど、そういう貴様はそもそも何を目的にしている?」

「全ての世界を“報復心”で満たし、魔導師という存在をこの世から消し去る事で銀河意思の手による滅亡から解放する。今も膨れ上がる管理局に反発する“報復心”を起爆させ、全ての世界は魔導師という共通の敵を持ち、過去現在未来の自由と独立、平和を勝ち取るだろう。私が作り上げたのは『世界浄化虫』などではない、魔法や吸血変異の支配から解き放つ『世界解放虫』なのだ。世界はありのままでいい。第三者の手による管理なぞ、世界には必要ない。確かに管理世界は共通の“味方”を喪い、分裂するだろう。そして世界は自由になる。だが人々は苦しむはずだ、『幻肢痛(ファントムペイン)』に。世界には新しい共通存在が必要となる。それが『メタルギア』だ」

「メタルギア? なぜここでメタルギアが出てくる……?」

「ふむ……お前はアルカンシェルと呼ばれる大量破壊兵器は知っているな?」

「空間を歪曲させて、範囲内の物質を分子に分解して消し去るという……管理局最強の魔導兵器でしょ?」

「そうだ。核を越えて世界を破壊する力を持つ、管理局の力の象徴とも言える兵器。本来は次元航行艦に搭載させて使用する大型兵器だが、これを小
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