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リリなのinボクらの太陽サーガ
スカルフェイス
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うに教会内部へ入る。
中はミッドチルダの教会本部と似た造りだが、細部が微妙に異なっており、更に言えば教会本部より表向きの規模は小さめであった。建設途中という事もあって所々に作りかけな様子が垣間見えるが、大まかな建設は既に終わっていた。

「お? この部屋は物置みたいだ」

「目立たないように修道服でも着とくか?」

「う〜ん、着替えないけど一応手に入れとこっか」

という訳で物置にあった女性用修道服の一着を、サイズを確かめてからデバイスに収納した。かつて世話になっていた頃に修道服を着た事があるため、少しだけ懐かしい気持ちになりながらもマキナは先に進んだ。

少ないけど巡回している騎士やシスターに見つかる愚を犯さずに、マキナはあらかたの部屋や礼拝堂などに足を踏み入れては調べていく。そして……いくつか並んでいる同じ様相の小部屋の一つにあるタンスが妙に軽い事に気付き、それを動かすと裏に地下へ通じる階段が見つかった。

「いかにも、って雰囲気だ。さて……鬼が出るか蛇が出るか、この目で確かめるとしよう」

地下に潜る階段はかなり長く続いており、降りていくごとに周囲は人の手が入った洞窟のようになっていき、まるでカタコンベのようになっていた。至る所から死者の思念が不気味にこちらを見ているように感じたマキナ達は背筋に冷たい汗が流れながらも、激しく鼓動する心臓を落ち着かせながら歩を進める。やがて一番下にたどり着いた彼女達はその先の空間を見た瞬間、あまりの惨状に言葉を失った。

死体。
死体死体死体。
死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体死体。

床、壁、天井……あらゆる場所に死体が埋められていた。手を伸ばしてもがき苦しむ姿、恐怖に打ち震えた表情のまま朽ちた姿、絶望に嘆き悲しむ姿……それらは視覚に入れるだけで、だだっ広い空間のあちこちから呻き声の幻聴が聞こえてくるぐらいだった。

「な、なんだよ……!? なんなんだよ……!? これ……!?」

「クッ! なんて、惨い……!」

部屋中に充満している血の甘ったるい鉄の臭いに、マキナとアギトはたまらず口を押さえて溢れ出る吐き気を辛うじて耐える。現実離れした惨状を見て多大な精神的ショックを受けながら、それでも真相を確かめなければ犠牲者は増えると考え、彼らの躯が眠る土の上に足を踏み出そうとした。

「ほう、こんな所に客人とは……興味深い」

「!?」

だが突如、地獄の底から響くような低い男の声が聞こえ、見つかってしまったと思ったマキナはすぐに声の方へ身構える。直後、部屋の奥にある扉が開き、中から現れたのは……顔が白く焼けただれ、黒コートに黒スーツ、黒いテンガロンハット、黒い手袋、黒いアイマスクを着け、レバーアクションラ
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