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SAO−銀ノ月−
第百一話
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ィールド全域を地震が襲う。

「っつ……!」

 翼を使えない俺たちにとって、その大地に語りかける技を避ける術はない。一瞬だけ動きを封じられた後、スリュムはさらにその両腕を力任せに振り回していく。

「きゃぁっ!」

 何とか各々の武器でガードはしたものの、その圧倒的な質量に抵抗も出来ずに吹き飛ばされ、ダメージとともに宝の山にぶつかってしまう。ただ離れていた為か魔法使いたちがいる部隊は巻き込まれておらず、シウネーとアスナの魔法により回復される。

 ただ、放たれた回復魔法は一気に全て回復する訳ではなく、徐々にHPゲージを回復していくタイプ。すぐさま攻撃に転じる、という訳にはいかず。追撃で放たれたブレスを避けながら、ひとまずHPゲージの回復を待つ。

「んの野郎ぉ!」

 いち早く攻撃に戻ったクラインの炎を伴った刀が、スリュムの毛皮を纏った足を切り裂いた。その一撃は毛皮によって大幅に威力を減じたものの――確かな手応えをスリュムのHPゲージに感じさせた。

 よってスリュムの弱点は炎による攻撃。霜の巨人、などという名前もその弱点から頷ける。右足のスタンプ攻撃を範囲外に離脱することで避けながら、近接攻撃組が接近する。

 ただ問題なのは、スリュムの足を覆っている毛皮。それは物理ダメージを大幅に減じていたが、近接攻撃は毛皮で覆われた部分しか届かない。そこに魔法による援護射撃が届き、近接攻撃組が攻撃しようとしていた毛皮に放たれる。

「今だ!」

 放たれたのはレコンの闇魔法。ダメージはないが、当たった部分の装甲を腐食させる効果を持つ。魔法のエフェクトが終わったスリュムの足には、溶かされたように毛皮の存在はなく。剥き出しの素足に、炎を伴ったソードスキルの一撃が殺到する。

『ぬぅっ……!』

 弱点による連撃によってスリュムにのけぞりが発生し、再びソードスキルと魔法が叩き込まれる。特にフレイヤの紫電の雷を含めた、顔面に浴びせられる魔法と矢は堪えるようで、スリュムは遂に獣のような咆哮をあげた。

「パターン変わるぞ! 一旦下がれ!」

 HPゲージを一定数削った咆哮と新たな技の解禁の証に、素早くキリトの指示が飛ぶ。近接攻撃組はその指示に従って深追いすることなく、素早くスリュムから離れていく――つもりだったのだが。

「あ、あれ……?」

 離れようとしているにもかかわらず、何故かスリュムへと寄っていってしまう。その正体はスリュムが大きく息を吸ったことで生じていた、圧倒的な吸引力を誇る疾風。ゴミどころか家ごと吹き飛ばしそうな、そんな風に近接攻撃組はスリュムに引き寄せられてしまう。

「皆さん! 防御してください!」

「防御してくださいって言われてもねぇ!」

 風圧に吸引されて自由を失い
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