暁 〜小説投稿サイト〜
鎮守府の床屋
番外編 〜喫茶店のマスター〜
後編
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マンガから目を離さずに僕が置いた皿からホットドッグを一つとって、それをむしゃむしゃ食べていた。いつかのように、やっぱりマンガに隠れて北上さんの顔が見えない。

「北上さん」
「んー?」
「僕は北上さんが好きです」
「……」

 北上さんが一個目のホットドッグを食べ終わったのが分かった。マンガを閉じ、いつもの表情で北上さんが自分の指をぺろっとなめている。指についたケチャップを舐めとっているのかな。

「トモくん」
「はい」
「球磨姉と会ったことある?」
「ハルさんの奥さんですか?」
「うん」
「ないです」
「んじゃさ。今晩ヒマ?」
「はい」
「んじゃさ……ハル兄さんと球磨姉に、会ってもらえる?」
「……と、突然ですか?」

 ハルさん。ハルさんのうちに遊びに行くのは、案外と早いタイミングになってしまいました。でも……

「いいのいいの。私の大切な人なんだから」
「で、でもやっぱり突然会うなんて緊張しますよ。何話せばいいのか……」
「あることないこと適当に話しとけばいいんだよ。ハル兄さんとそのカミさんだよ?」
「うう……」
「トモくん」
「はい」
「……ありがとね。これからよろしく」

 ハルさんには、いい報告が出来そうです。これから北上さんと二人で、ハルさんご夫婦にあることないこと報告しにいきます。

終わり。



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