秋山 駿
第三章 手駒と策略
第四話 打たれる先手
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じ通りでライバル店のスターダストに負けない客入りを見せる、天下一通り入口近くの店。
アマリリスと名のついたそのホストクラブが、悠然とそこにあった。
スカイファイナンスから目と鼻の先、アマリリスが出来てからは毎日の様に窓から眺めていた。
だがそこが、東城会幹部の経営する店だとは夢にも思わなかったが。
赤いスーツを整え、そのアマリリスへと足を踏み入れる。
店内は思ったより落ち着いた雰囲気で、とてもホストクラブに見えなかった。
どちらかといえば、バーに近い雰囲気。
落ち着いて飲めるし、男と静かに話せる。
客入りが多い理由も、何となく納得した。
「宮藤さんに電話で話は通してます。1番奥のVIPルームに、待ってるそうです」
「話通したって、そこまでコネがあるのか?」
「いえ、宮藤さんの配下に知り合いがいるだけです。そいつに頼んで、話通してもらいました」
なるほどと頷き、店内の1番奥に目をやる。
広い店内に似つかわしくない、小さな個室。
そこに宮藤が待っている。
写真だけしか知らない奴が、そこにいる。
はやる気持ちを抑え、VIPルームに早足で歩み寄った。
「すみませんが、俺はここまでです」
「あぁ、わかってる。ありがとう」
麻田が一礼して離れたのを確認し、目の前のVIPルームの扉に手をかける。
あっさり開いたその扉の向こうには、広い室内に1人の男が存在するだけ。
金髪で、あまりにも極道に似つかわしくない男。
宮藤宏明。
今もっとも7代目に近い男。
余裕の笑みを浮かべる奴が、そこにいた。
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