暁 〜小説投稿サイト〜
鎮守府の床屋
番外編 〜夜戦トーナメント〜
決勝戦・ラストバトル
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演習場を見ると、球磨と川内が睨み合っている。……いや、球磨は不敵な笑みを浮かべ、川内は焦点の合わない眼差しで前傾姿勢で発作を抑える危ないジャンキーみたいな感じとでも言うべきか。

「クックックッ……この球磨の野望のため、川内には地べたを舐めてもらうクマ……」

 きゃー。やめてー。誰かタスケテー。このままじゃ私、艦娘にされちゃうわー。

「シュコー……ムハァー……早く……早く夜戦を……!! オウフッ……ファゴォ……」

 ごめん。申し訳ないけど、あいつには助けてもらいたくないな……誰でもいいから川内以外がいいなぁ……膝枕なら喜んでやったるからさぁ……

「クックックッ……川内……その夜戦でのアクロバティックな動き……あっぱれだクマ」
「ムフゥ……コポォ……」
「でも川内……残念ながらこの球磨……すでに対策はできているクマッ!!」
『それじゃあ泣いても笑ってもこれが最終戦! やっちゃってー!!!』

 北上の合図と同時に照明が落とされ、演習場が真っ暗になった。ここまでは今までの試合とまったく同じ。……だが、今回は違った。

「クマッ!!!」

 球磨の雄叫びとともに『パシュッ』という音が聞こえ、同時に演習場がものすごい明かりに包まれる。恐らくは、さっきまで演習場を照らしていた照明以上の灯だ。

「うわっ!!」
「ムハハハハハハ!!! これで川内のアクロバティック夜戦は封じたクマッ!!!」
「クッ! そんなバカな……これじゃ夜戦がッ……!」
「ヌハハハハ!!! 夜戦の出来ない川内なぞ恐れるに足らずだクマァ!!!」

 狼狽えながら周囲をキョロキョロと見回す川内とは対照的に、自身の右腕とアホ毛で高らかに天を指し、誇らしげに笑う球磨。

「そうか! 照明弾!!」
「これなら川内のアクロバティック変態挙動を抑制出来る!!!」
「考えたわねクマ……」
『さすが球磨姉……我が姉ながら恐ろしい……』

 ……お前らホントにそう思ってる? 身軽なら別に明るくなっても身軽に避ければいいんじゃないの? それとも違うの?

「クッ……これでは私は実力がッ……!!」

 おいマジかよ。単に明るくなっただけなのに何頭押さえて苦しそうにしてるんだ川内。

「覚悟するクマァアアア!!!」

 対照的にもう完全に悪の総大将と化した妖怪アホ毛魔王は、雄叫びを上げながら川内に突撃していった。

「クッ!!!」

 川内は翻り、球磨の突撃を紙一重で躱すと、球磨のショートパンツに手をかける。……だがしかし。

「……?!!」
「クックックッ……無駄だクマッ!!!」

 絶望の表情を浮かべる川内と、凶悪な笑みをこぼす球磨。球磨が至近距離で単装砲を乱れ打ち、川内はとっさに球磨のショートパンツから手を離して
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