暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico?舞い散る桜花の果てに銀雪は舞い降る〜Settlement〜
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いるスマウグが現れた。
「良いことを教えてあげます、神器王。今となっては私が、ガーデンベルグをも超える最強のエグリゴリなんです」
「っ!!」
「良かったですね。私に勝てるレベルにまで成長し、そして私を討ったその時こそ、ガーデンベルグに確実に勝てるんです」
リアンシェルトはそう言って俺の顔を見た。ガーデンベルグ以上の強さだって? 冗談はやめてくれ。そう思う反面、良かったという思いもあった。リアンシェルトの言うように、アイツにさえ勝てば俺はガーデンベルグにも勝て、元に戻れるのだから。まぁそれが事実であれば、だが。
「では帰りましょうか。あぁ、そうでした。この後、権威の円卓会議がありますので、ガアプ一佐と共に参加しください。サボりはダメですよ? ルシリオン特別捜査官」
最下層魔族、その中でもトップクラスであった黄金竜スマウグすらも容易く殺せる創世結界が解除されていく。そして完全に解除されたことで、俺たちは現実世界である本局・居住区へと帰って来た。
「ルシル君!」
「ルシル!」
「無事で良かったよ〜!」
俺の名前を呼ぶのは「はやて、シャル!」だった。ヴィータとユニゾンを解いたアイリが飛んで来て、頬擦りをしてくる。アミタ達やセラティナ、クララ、武装隊や執務官連中も無事に目を覚ましており、「スマウグが・・・」俺の背後で氷漬けとなり、そしてバラバラに崩れていくスマウグの姿に呆けた。
「医務局に連絡しました。そちらの民間協力者の皆さんも手当てを受けていってください。それと、チーム海鳴には3日間の臨時休暇を与えます。私から各部署に通達しておきますから、今日の疲れをゆっくり癒してください」
そしてはやて達は、リアンシェルトに声を掛けられたことでビクッと肩を震わし、デバイスをギュッと握りしめた。その表情にあるのは困惑と悲しみ。また知り合いだった者が“エグリゴリ”だったことによるものだろう。
「安心してください。私があなた達に手を出すことは永遠にないのだから」
そう言ってこの場から立ち去るリアンシェルトの背中を、俺たちは無言で見送った。
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