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逆襲のアムロ
30話 調整者 3.5
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重鎮の限界だ」

「それじゃあバウアーだろうがゴップだろうがどうにもならないんじゃない?」

「ビストはあくまで権力者であった訳だ。一大事もミクロの視点でなくマクロでしか見れない。ミハルの考え方はある意味正しい。政治家に倫理観を求めても意味はなさない。彼のスポンサーが欲求の塊だからな。現にティターンズ、エゥーゴ、カラバなど、彼ら程アウトプットが出来ている連中に託すことは人類の総意ではない」

ミハルは一台ずつ進む行列にため息を付いていた。

「はあ・・・。この列全てがゴップ邸の列なの?」

「議会開催となると陳情、請求がこのようになる。彼がキーパーソンの証拠だ。どこぞの名の知れない議長に祭り上げられた連邦の首相よりもだ。それが今回の議会でコリニーが立候補を表明している」

「コリニーを認めたらば、帝国主義化が進む?」

「統制はかかるだろうよ。宇宙に住む者の革新的な考えをまず認めない。地球有っての宇宙にしたいそうだからな」

「言論の、信仰の自由を奪うなんて・・・。どうしてそんなことを」

「ある意味平和思想さ。管理下において慎ましく暮らす、一種のユートピア思想だな。宇宙は静かに限るから、造反の芽を全て摘むつもりだ」

カイの話にミハルはハンドルを離し、腕を組んだ。

「犠牲を払っても恒久的な平和思想を目指すティターンズか・・・。エゥーゴはその姿勢に反対する。つまり好戦的なのかな?」

「ティターンズ以外の勢力は宇宙での革新を認め、受け入れていこうというスタンスだ。それが戦争という手段も是非は問わずだ」

「ジオンは・・・、なんかティターンズとエゥーゴの合いのコ的な中途半端だったね」

「そうだな。宇宙でのコリニーみたいなものだな」

「最近ジオンの話がめっきり入って来ないんだけどね」

「・・・情報封鎖というより、入って来ないというお前の表現が正解だろう」

そして1台分車が進んだ為、ミハルはハンドルを握り進ませた。

「情報が死んでいるということかな。それは・・・」

「それは国家が機能不全に陥っている可能性がある」

「ジオンが滅亡!」

「直接見た訳ではないからな」

「うー・・・スクープが取れないなんて・・・」

「スクープはこの行列の終点さ」

「ジオンよりも?」

「ああ、ティターンズやエゥーゴのテーブルを全てひっくり返してやる」

「返った後は?」

「皆で飾り気ない綺麗なテーブルに座ればいいさ。連邦という組織は元々集合体だ。そこに強制的な制限を掛けてきた。強固な組織は腐りやすいものだ。多様な生き方、国体があって良いとオレは思う」

「それがカイの望みなのね」

ミハルにそう聞かれた事にカイはシートのもたれかかり、目を閉じた。

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