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SAO−銀ノ月−
第百話
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を一旦鞘にしまう。動けない巨大モンスターとは、いまいち試し斬り相手としては不満足だが――腐っても邪神級モンスターだ、耐久力は期待できるだろう。

「……あたしの苦手なものを知ったんだから、こいつ倒したらショウキの番よね」

 そんな試し斬り相手と見定めながら、腰から新生日本刀《銀ノ月》を象徴するアタッチメントを取りだしていると、背後のリズからそんなことをボソりと呟かれる。完全にリズの自爆からの責任転嫁なそれに、ひとまず流すことにして。

「ボスを倒した後でな。よし、行く――」

「――いやおせぇよ!」

 十本足ムカデへの攻勢に参加しようとした瞬間、いつの間にか横にいたクラインに張り倒された。そのままもんどりうって倒れそうになるも、何とかバランスを取って立つことに成功した。

「何するんだクライン」

「いや遅ぇっての! もうキリトがチートでやっちまったよあのムカデ!」

 どうやら全員でタコ殴りをするまでもなく、キリトが《スキルコネクト》でそのまましとめていたそうだ。まあ最後のあがきで全滅させられては困ると、キリトの即座に撃破するという判断は間違っていない。ただクラインのフラストレーションは貯まったらしく、攻撃に出遅れていた俺たちに文句を言いにきたらしい。

「何で皆で攻撃しようとしてる時にイチャイチャしてんだよォォイ?」

「それは……悪かった。すまない」

「いや、元はと言えばあたしのせいだし……ごめん」

 最後の方はもの凄い巻き舌になっていたが、おおむねクラインの言うことは正論であり。ポリゴン片と化している巨大ムカデの向こう側で、シリカに励まされて《スキルコネクト》の練習をしているルクスを見ながら、リズとともにクラインに正直に謝った。そんな様子にクラインも毒気が抜かれたのか、追求の手をどうするか迷うような表情に変わる。

「お、おう……いや何だな。そう素直に謝られるとよぉ……」

「計画通り」

「ん? おいリズ今何つった?」

「それよりクライン。あの女の人は……」

 リズの呟いた言葉に突っかかって行きそうなクラインだったが、俺があの金髪の女性のことを聞いた途端、こちらに襲いかかってきた。……いや、襲いかかってくるような雰囲気だったが、どうやら『よくぞ聞いてくれました』ということらしい。驚いて身を竦めた俺とリズの手を掴むと、高速で件の金髪の女性の元へ俺たちを連れて行く。高いステータスの無駄使いだった。

「こちら、囚われの女神様のフレイヤさんだ。何でもスリュムのクソ野郎に閉じ込められてたみたいでな!」

「フレイヤです。妖精様、よろしくお願いします」

 礼儀正しくお辞儀をするフレイヤと呼ばれた女性は、どうやらこのダンジョンに囚われていたNPCらしく。牢屋に閉じ
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