ターン44 鉄砲水と暗黒の中世
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性のある奴がいたらそいつの戦いを見届けろ、ということだ。ジムもジムで学校中を探し回っているが、なにせこの島は広い。だからここ数日の間に本土から取り寄せたこのスペアの電波探知装置を使って、土地勘のある僕にヘルプをプリーズする、だそうだ。
「あんなことの後じゃあ、そりゃあデュエルしようなんてのもいないよねえ」
『まあ、そうなるだろうな……おや、誰か来たぞ』
学校の中はがらんと静まっていて、ファラオ一匹歩いていない。すでにパーティーに出て倒れた人達のことは学校中に知れ渡っていて、偶然助かった生徒もそのほとんどが今日は寮で大人しくしているだろう。無論、デュエルだなんてもってのほかだ。だから一応見回りはするものの正直ほぼ期待していなかったが、チャクチャルさんの言葉に後ろを振り返る。
「シニョール清明、話は聞かせてもらったノーネ!」
「クロノス先生!?」
自信に満ちた足取りでこちらにやってくるその姿に、思わず驚きの声を上げる。今年になっていきなりやって来た臨時講師、コブラのせいで面目丸潰れになってしばらく落ち込みムードだったはずなのに、今日は随分と元気になったものだ。
「要するに、誰かデスベルトをつけた人がデュエルをすれば問題ないのでショウ。ここで私がデスデュエルと一連の事態の関連性を証明できれば、あの忌々しいプロフェッサー・コブラは失脚間違いなし、逆に私はその功績により次期校長の座にぐっと近づくことができるノーネ」
「ああ……」
最近すっかり忘れてたけど、そういやこの人はこういう人だった。いつぞやのジェネックスでタイタンが来た時も庇ってくれたし、根はいい人なんだけどねえ。今回だって下心はあるだろうけど、だとしてもこれまで表だってコブラに逆らわなかったこの人が立ち上がったのは、生徒がこれだけ倒れたのが大きな理由だろう。
教育者としてすごくいい人なんだよ、その分自分の欲にもわりかし忠実なだけで。
「で、クロノス先生。誰がデュエルするんですか?」
「フフン、少なくとも1人はナポレオン教頭にやってもらうノーネ。あと1人は……まあ、それを今から探せばいいでショウ」
なんかもうオチが見えた気がする。そう思ったわずか5分後。
「嫌でアール、吾輩だってそんな危険なことやりたくないでアール!」
「甘いことを言ってはいけませんーノ、それでも教頭は教育者ナノーネ!?」
「そこまで言うなら、クロノス校長『代理』がやればいいのでアール!」
案の定、わーわー言い合いながら追いかけまわす2人の先生。でもこんな非常時には、むしろこの平常運転なこの人たちの方が頼もしく感じる気がしないでもない。
「では、私はちょっと急用を思い出したのでこれで失礼するでアール!」
「あ、ちょ、ちょっと待つノーネ!」
あ、
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