ターン44 鉄砲水と暗黒の中世
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んにばったばったと倒れてるイエローやらブルーやらの生徒を手当たり次第におぶさり、本校の保健室へと運んでいく。ただこのぶんだと保健室のベッドが足りないから、途中からはそれこそ体育館にでも寝かしておくしかないだろう。
ちなみに女子ばっか最優先で運んだことは偶然です。まあレディーファーストっていうしね、ボランティアでやってんだから別に順番ぐらい僕が決めてもいいよね?保健室まで運んだところで一瞬だけ目を覚ました葵ちゃんが、他に寝かされてるのが女子ばっかりだった事に気づいた時点でまるで僕を見る目がまるでゴミを見るようものになっていたのもまあ気にしないでおこう。セクハラ云々言われそうだけど、否定しない範囲でうまいこととぼけておけば十分誤魔化せる……はずだ、きっと。
そんなことを考えながら最後の1人を体育館に敷かれた簡易布団に放りこみ、鮎川先生に別れを告げてから外に出た。医療知識なんて持ち合わせていない僕がいつまでもうろちょろしていたところで、単に邪魔にしかならないからだ。それに万丈目も呼吸器までつけて寝込んでいる状態だし、こちらとしても友人のそんな姿を見るのは辛いものがある。
「……ねえチャクチャルさん、やっぱり昼間、万丈目は一発殴ってでも止めるべきだったのかな」
こうなることが予想できていなかったといえば、嘘になる。デスベルトがエナジーを吸い取る率の高い時に万丈目がデュエルをしてしまう危険は、十分考えられるものだった。なまじ昼にデュエルした時は大した量じゃなかったから出発には何も言わないでおいたけど、今となってはそんな自分の判断が恨めしい。
『私がマスターに危ないからデュエルはするな、と言ったとして、それをマスターが聞き入れるのか?』
「う。その返しはずるいよ、チャクチャルさん」
『殴って止めようだなんてエネルギーを浪費するだけだ、ということさ』
いつになく諭すようなこの言葉も、チャクチャルさんなりに慰めてくれているのだろう。それにもう1つ、今の僕に対し釘を刺そうともしている。早い話僕がデュエルをするのは私としては勧めないぞ、という意思表示だ。
なんでわざわざそんなことを言いだしたのかというと、実はこれにもわけがある。先ほどまで出入りしていた保健室で、たまたま手伝いをしていたジムに出会ったのだ。そしてその時、あるものを手渡された。
「電波探知装置……ちゃんと効くかな、これ」
『私は機械はよくわからんぞ?』
デスデュエルが行われるたびにこの島を飛び交う怪電波を察知できる装置。今回のパーティーのおかげ、というかパーティーのせいでだいぶ電波の向かう先も特定できてきたらしいのだが、ジムが言うことにはなんでもあと1回でいいからその方向を絞り込める情報が欲しいとのことらしい。要するに、この学校でまだデュエルをやるような根
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