第二十四話 決闘
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ミリアンはウォーター・ビットに対しウォーター・ショット以外の魔法も使えるようにしたり、1基のウォーター・ビットが探知した情報を全てのウォーター・ビットが共有できるシステム、いわゆるデータリンクなどの組織的な運用法なども研究中だった。
他のウォーター・ビットの効果として、フライ中に他の魔法が使えないように、通常は同時に二つ以上の魔法は使えないが、風の『ユビキタス』の様に、あらかじめウォーター・ビットを展開しておけば、マクシミリアン自身も魔法の使用が可能だった。
マクシミリアンはウォーター・ビットを最大8基まで作り出す事ができる。
現在、マクシミリアンの周りには先ほど作った2基と含めた8基のウォーター・ビットが展開中だ。
マクシミリアンはウォーター・ビットの8基の内、護衛の2基を残して6基にジャコブ襲撃を命令すると、6基のウォーター・ビットは浮遊しながら部屋から出て行った
なぜこういった方法と取ったかというと、マクシミリアンとジャコブとでは戦闘技術の差が激しすぎて、まともに戦っても勝ち目が無いからだ。
(まともにやり合ったら、あの不可視の弾丸に打ち抜かれるのがオチだ)
その為、自身は安全な場所に身を隠して、ウォーター・ビットでゲリラ戦をする戦術を採用した。
……
30分程経ったが、部屋の外では何の音も聞こえない。どうやらウォーター・ビット達はジャコブを探しているようだ。
マクシミリアンとウォーター・ビットとの間には『消えたか消えてないか』程度の感覚しか通っていない。
例えれば、敵に攻撃されてウォーター・ビットが消滅しないと、敵と接触した事が分からないという欠点があった。
それにウォーター・ビットは喋る事が出来ないため、更なるの研究が急務だった。
「……むむ」
護衛のウォーター・ビットが『何か』に反応した。
マクシミリアン自身も、首の裏がチリチリして危険を直感した。
(何か来る!)
この時のマクシミリアンの行動は早かった。
ウォーター・ビットがウォーター・ショットを放つと同時にエア・ハンマーで部屋の壁に穴を開け、そこに飛び込んだ!
破砕音がド・フランドール伯の屋敷に響き、もうもうと土煙が廊下にまで舞った。
パラパラと破片が落ち、土煙が廊下全体を覆う、その土煙の中からマクシミリアンがフライで飛びながら現れた。
「うおおおおっ!」
マクシミリアンは素早く物陰に隠れると、今まで居た場所の床に無数の風穴が開いた。
不可視の弾丸、風穴のジャコブの代名詞『エア・バレット』だ。
「殿下〜、逃げないで下さいよぉ〜」
ジャコブは、ようやくマクシミリアンを見つけた喜びでハイテンションだ。
コツコツとジャコブの足音が近づいてくる、
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