【ダンまち】案外忘れられがちな超人作品出身のモブがオラリオに来たら
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よい!』
突如現れたオラリオ最強のレベル7、フレイヤ・ファミリア最強の戦士――『猛者』オッタルと彼の戦いは熾烈を極めた。大剣片手に突如襲いかかってきたオッタルには腰を抜かすほど驚いたが、それよりも驚いたのが庸太である。何と彼は手錠をナックルのように使って素手で迎撃し、粘り勝ってしまったのだ。
つまり、彼は現在オラリオ最強の戦士ということになる。
(最強の戦士……庸太くんが……)
エイナの脳裏に「え?日本語じゃ通じないの!?」と文字に悪戦苦闘する彼の姿が浮かぶ。更に「ぱ、ぱるぅむ……きゃっとぴーぷる……うぇあぅる……あーもう!!種族の名前が覚えきれん!!」と頭をガシガシ掻く姿、「体力テストないんだな……」と微妙にしょげる姿、更には「俺、梁山泊に戻れるのかなぁ……」と不安そうに酒を飲む姿が浮かんでいく。
体を張っている時は確かに頼もしいが、日常生活の彼からそれ以上のものは感じない。
正直、最強の二つ名を持つほど凄い器には見えなかった。
「全然似合わないなぁ……」
「おいしょっと!流石に筋肉ダルマなだけで体重は重いな……ん?どうしたの、エイナ?」
肩に失神したオッタルを抱えたボロボロの庸太がこちらを向いて首を傾げる。なんというか、頬や目元が腫れたそのその姿は普通に若者が喧嘩した後にしか見えず、世界最強と喧嘩をした後にはとても見えなかった。
「顔が腫れてデコボコになってるよ?勝ったのに恰好つかないねー……」
「……いいんだよ顔は殴られても後で治るから。俺にとってはしょーもない犯罪者が一人でも多く減る事の方が重要なの!」
「そんなこと言って、実は結構ダメージ受けてるんでしょ?本部に戻ったら手当てしてあげるから意地張らないの!」
「め、面目ないです……」
恩人であるエイナに頭が上がらない庸太は、まるで悪事を働いて叱られる子供のように素直に謝った。………この何所とない頼りなさがあるから、エイナはどうにもこの男を放っておけないのである。
元国際機構準A級エージェントは、元の世界に戻る日を夢見ながら今日も職務を遂行する。
たとえ世界が違えども、彼の掲げた国際警察機構のメンバーとしての誇りが失われることはない。
翌日。フレイヤに『損害賠償請求』の書類を突きつける男と、その男に引き連れられた見覚えのある顔が一つずつ。
「壊した石畳の弁償、危険行為の罰則金、ついでに俺の治療代と破けたギルド制服の弁償代金!!この筋肉ダルマ嗾けたのはアンタなんだから、耳揃えてきっちり払ってもらおうか!!」
「………次は絶対に勝つ」
「やかましいドアホっ!!街中でいきなり襲ってきやがって、反省せんか反省を!しまいにゃ牢屋にぶち込むぞ!?」
捕縛されて死ぬ
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