暁 〜小説投稿サイト〜
鎮守府の床屋
番外編 〜最期〜
同じことが出来た
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れている。だから私は、心が折れずに隼鷹を守れているんだ。私が一人で隼鷹の盾になっていたら、きっともう私は轟沈していた。古鷹が一緒に隼鷹を守ってくれているから……私を支えてくれているから、私は隼鷹を守れているんだ。

――そっか よかった

 あの時のように、私の前に立っている古鷹が振り返り、微笑んだ。……その笑顔が見たかった。ずっと、その笑顔に会いたかった。あの日突然いなくなってしまったその笑顔を、私はもう一度見ることが出来た。

 だったら……私は、まだがんばれるよね。

「まだ寝ないよ! 私を眠くするにはぬるい砲撃だ!!」

 出来る。今の私なら、隼鷹を守り通せる。古鷹がそばにいるのなら、私はいくらでも強くなれる。足が沈み始めてるが気にしない。私の今の仕事は隼鷹の盾になることだ。なら、足ぐらい沈んでもいい。

 隼鷹の呪文の詠唱が終わり、彼女の身体が眩しく輝いた。その瞬間、広げていた巻物からおびただしい枚数の人型の式神が飛び立ち、それらが艦載機となって空を埋め尽くした。

「まだだ!! まだ呼べてない!!」

 隼鷹がそう叫び、巻物がさらに輝く。そして、さらにその数倍のおびただしい数の人型が飛び立ち、それらが艦載機となって大空を飛び立った。

「ものどもかかれぇぇえええ!!!」

 隼鷹はたくさんの艦載機を召喚し、周囲の敵艦を次々に撃沈し始め、空を覆っていた敵の艦載機を撃墜し始めた。今まで絶望的だった戦況に光が刺した。このまま行けば、制空権も奪取できることだろう。これだけの艦戦に守られれば、再度制空権を奪取されることはないはずだ。

 それに、隼鷹は同時に信じられない数の艦攻、艦爆を召喚している。これで、敵の大半を撃沈出来るはずだ。これで希望は繋がれた。この戦いに勝ち、生き残れる可能性が上昇した。……私以外は。

 もう、私が観測射撃で敵の数を減らさずとも、充分に敵の戦力を削ることが出来るだろう。私は……私と古鷹は、隼鷹を守り通した。私たちの仕事は終わった。

 急に私の全身から力が抜けた。隼鷹を守り通したという安心感のためか、足の力が抜け、朦朧とした意識を覚醒させ続けた身体中の痛みもやわらぎ、次第に眠気が襲ってきた。

「へへ……よかった……隼鷹……」
「ん……?」
「ありがと……こんなにやってくれるとは思わなかった……」
「あんたのおかげだよ……あんたのおかげで、みんなを召喚できた……」
「そっか……よかった……」

 隼鷹からの言葉は素直にうれしいものだったが、今はもう単純に眠い。立っているのも大変になってきた。立ち続けることすら困難になった私は、そのまま仰向けに海面に倒れた。

 海面に倒れたのに、自分の頭が妙に高いことに気付いた。加えて、頭に伝わるこの懐かしい感触とぬくもり
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