暁 〜小説投稿サイト〜
鎮守府の床屋
番外編 〜最期〜
同じことが出来た
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敵の数は多すぎる。すべてのヘイトを二人に向けることは不可能な以上、あぶれた敵は私が始末するしかない。砲撃をされれば……

「……チッ!!」

 私は一瞬の隙をついて隼鷹に向けて放たれた砲撃を……

「ぐあッ……」
「加古……!」

 私の全身で受け止める。隼鷹が召喚術に集中出来るよう、守らなければ……もし隼鷹が中破でもして召喚術が不可能になったら、この戦いを生き延びることは不可能だ。

「……大丈夫。あんたは私が絶対に守りぬく。だから早く艦載機を呼んで」
「……分かった」

 1発の砲撃を許してしまったその隙をついてさらに、隼鷹めがけて砲撃の雨あられが襲いかかった。私はそれを、全身で受け止める。たとえ1発でも、絶対に隼鷹に届けさせはしない。

「やめるクマ!!」
「加古を狙うやつはやっちゃうよ!」

 私に砲撃を敢行するやつらを次々に撃沈していく球磨と北上だが、敵の数があまりに多すぎる。砲弾の雨あられは一向に止まない。次々に撃たれた砲弾は私の身体に食い込み、傷を作っていった。

「古鷹……」

 つい、口をついて出た。今の私と同じように、一切の砲撃を私に着弾させることなく、すべてをその身に受けて轟沈した古鷹……あんたも、今の私と同じ気持ちだった……?

――そうだね きっと同じだったと思うよ

 そっか……へへ……なんかうれしいな……

 敵の砲撃は未だ止まない。隼鷹は一心不乱に召喚術の詠唱をしている。

「?!」

 私の左目に徹甲弾が飛んできたのが見え、私は反射的に頭を動かしてしまった。徹甲弾は私の左目のまぶたをかすめて皮膚を破り、私の目からは大量の血が吹き出た。

――古鷹?! 大丈夫?!

 大丈夫。古鷹と同じ左目に傷が入ったんだ。これで私も、オッドアイになれるかな……

 こんなことをぼんやりと考えている間も、私の身体には容赦なく敵の砲撃が突き刺さる。あの時の古鷹のように、私は絶対に隼鷹を守りぬく。あの時古鷹に助けられた私が、今度は古鷹と同じ方法で仲間を守れていることが、なんとなくうれしかった。

 次第に身体に力が入らなくなり、視界が狭まってくる。私の視界の左半分はすでに潰れてしまっているが、そこからさらにぼんやりと狭まってくる視界の先には、古鷹がいた。

「古鷹……?」

 私の視界の先にいる古鷹は、あの日のように私に背中を向け、身体を大の字にして、私を砲撃から守るように立っていた。砲撃はその身体をすり抜けて私の身体を傷つけていたが、古鷹の背中は、確実にそこに存在していた。

「古鷹……そこにいるの?」

――ごめんね加古 今の私じゃ、加古を守れない

 そんなことない。今もこうして私を守ってくれている。私の心が折れないように、私の心を支えてく
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