暁 〜小説投稿サイト〜
鎮守府の床屋
番外編 〜最期〜
私が守っていたもの
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今回の戦いは夜戦だった。大好きな夜戦で、大好きな人たちを守ることが出来、自分が何を守りたかったのかも分かった。私の最期は、きっと、悪いものではなかったはずだ。

 だから私は、もう充分だ。

「せんだーい! 起きるクマー! 今晩球磨と夜戦演習やるクマー! ひぐっ……夜戦クマよー? 起きるクマー!! ……ひぐっ」

 ごめんね。私はもう充分満足したよ。大好きな夜戦を駆け抜けて、大切な人たちを守ることが出来た。大切な気持ちに気付けて、それを守っていたことに満足したよ。

 だから球磨、夜戦はもういいよ。私は先に逝くね。

――姉さん お疲れさまでした

 んーん。確かにさっきの戦闘は激しかったけど、私は満足だよ神通。……それに、例え死ぬ寸前だったとしても、神通がアキツグさんに抱いて気持ちを、私も感じることができた。大切なものに気付いたんだ。それを守れていたことがうれしかったんだ。悔いはない。

――遅かったね 残念だったね

 残念なんかじゃないよ那珂。私は満足してる。その気持ちに気付けたこと、そしてみんなのその気持ちを守り通せたことにね。……ただ、確かに少しだけ遅かったけど。私は気づくのが遅かったけど。

 さぁ、私は胸を張って、暁とビス子に会いに行こうかな。

 加古、あんた夜戦で私と同じぐらい強いんだから、たまにはシャキっとするんだよ? 隼鷹、提督、どうか幸せに。でもケンカはほどほどにね。

 北上、アンタとは一度夜戦で決着つけたかったけど……まぁいいか。アンタは強かった。球磨、ハルと幸せになってね。ハルを幸せにしてあげてね。

 ……ハル。もし次があるのなら、その時は……球磨じゃなくて、私が最初にハルを出迎えてあげても……いいかな。

 終わり。

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