暁 〜小説投稿サイト〜
Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#32 船上の戦い
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は直ぐに移した。


 そして、外の様子を見に、連絡船の甲板に出た一行。

 皆が甲板に到着したとほぼ同時に、何かが聞こえて来た。



「はぁーーっはっはっはっはっ!!」



 何か……、ではない。明らかに声。
 それも、高らかで、特徴的な笑い声が木霊していたのだ。波風や船が揺れる音、色んな音があるのにも関わらず、その声ははっきりと聞こえた。

「おお?」

 ルークは、反射的に空を見上げた。
 笑い声が空から聞こえた事、そして、太陽の光を遮って影が出来ていた事もあって見上げた様だ。

「……何あれ? 椅子が浮いてる?」

 アルも、この光景には困惑の色を隠す事が出来なかった。椅子が宙に浮いていて、更にそこに座っている男が、高らかに笑い声を上げている状況だから。

 ジェイドはと言うと、この場で一番表情に出ていた。露骨に嫌な顔、と言うより何処か呆れた様にため息をしていた。

「野蛮な猿共がお揃いですね〜……」

 椅子に座ったまま、飛行を続けていたのだが徐々に降りてきた。

「お前はッ!?」

 ルークは見覚えがあるのか声を振り上げた。
 囚われていた時に、確かにルークは見ていた様だ。

「《お前》ではありません。……とくとお聞きなさい。 美しき我が名を……。 我こそは神託の盾(オラクル)六神将…… 薔薇のd「おやぁーーー 鼻垂れディストじゃないですか〜」ッ!?」

 自己紹介をしようとしていた彼。……だけど、ジェイドが狙ってたかのように割って入った。
 当然ながら、《鼻垂れ》と称されたら誰であっても怒るだろう。

薔薇(バラ)()()! 薔薇(バラ)のディスト様です!!」

 怒り狂いながらそう叫ぶ椅子に座った男、改め 《ディスト》。

「死神ディストでしょうー?」

 アニスも、ジェイドに続いて言った。《鼻垂れ》に比べたら大分マシだと思えるのだが……《薔薇》と自分を称しているディストにとっては我慢ならない様だ。

「違います!!」

 だからまた怒る。
 第一印象は、ひょっとしたら ルークよりも沸点が低いだろう事。

「はぁ… なにあれ? 六神将の中で1番子供みたいだよ。 ……まだ、あのアリエッタの方が大人なんじゃない?」

 アルが呆れながら呟いていた。

「なーーーーんですって!!!!」

 そんな、アニスやジェイドと比べたら、圧倒的に小さい声、呟きだったのに、ディストには聞こえていたようだ。随分と地獄耳だ。

「ん……、なんで 訊こえたのかな?」

 アルは、大分疑問に思ってしまった。どうでも良いだと思えるのだけど。
 ガイは、苦笑いをしつつ首を振る。

「さぁな。 それで、アニスは知り
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