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水の国の王は転生者
第二十一話 反撃の炎
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じゃ心もとなかったもの」

 フランシーヌとド・ブラン夫人が、車窓を開けて様々な歓声を上げる市民達を見て感想を述べた。
 そこに、クーペが車窓から顔を出した。

「屋敷から密偵が戻りましたよ」

「え? なにか状況が動いたの?」

「はい、報告は二つ。まず、人質の貴族の皆さんが開放されるみたいです。人質の半数が荷馬車に乗せられているのが確認されました」

「それは、良い報告……と、言って良いのかしら」

「盾にされるよりはマシでしょう。それと、もう一つ、これは悪いニュースですが、向こうの兵隊はヤクザ者だけかと思っていましたが、それとは別にヘルヴェティア傭兵を100人以上雇ったみたいです」

「ヘルヴェティア傭兵?」

 フランシーヌの問いにド・ブラン夫人が答えた。

「ヘルヴェティア傭兵っていうのはね、ゲルマニア南西部の山岳地帯ヘルヴェティア辺境伯領が、外貨を稼ぐ為に行っている輸出産業のことよ」

「輸出産業? 人を輸出しているんですか?」

「そう、ヘルヴェティア辺境伯領は、山々の間にある高地地帯なものだから農業は余り発達してなくてね、外貨を稼ぐ為にゲルマニア皇帝から許可を得て傭兵として外国に出稼ぎに行ってるのよ」

「メイジが出稼ぎをしているってことですか?」

「そういう事ね、精強だけど普通の傭兵の5倍以上は費用がかかるって言うわ」

(そんな、ヘルヴェティア傭兵が100人も……)

 フランシーヌは思わずうつむいてしまった。

「風穴のジャコブも居るし、無謀なんじゃ……」

 と、弱音を吐いてしまう。

「今更、弱音を吐いても仕方が無いわ、もう後戻りは出来ない、行くところまで行くしかないのよ」

 ド・ブラン夫人はフランシーヌを叱咤した。

 一方、クーペとラザールは救出作戦の修正を協議していた。

「市民1000人で屋敷に雪崩れ込んでも、ヘルヴェティア傭兵に蹴散らされるのがオチですね」

「ミスタ・ラザール。なにか策はお有りで?」

「正面からぶつかっても勝ち目は無いですから……それに1000人の市民が逆に機動性を重くしている。」

「それならば、二手に分かれましょうか? 屋敷を包囲する部隊と潜入する部隊に」

「妥当な所でしょう。ミスタ・クーペが潜入部隊、我々が包囲部隊……と、いったところでしょう」

「分かりました……それと、人質の皆さんの事ですが、お任せしてもよろしいでしょうか?」

「気位の高い貴族様の相手をですか。正直、勘弁願いたいですね」

 ラザールは不満気だ。

「貴族の相手なら私に任せて、ラザールは指揮に専念して」

 ド・ブラン夫人が窓から顔を出し協議に加わった。

「あ、あの! 私も! 私も連れてって下
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