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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第223話 エクスキャリバー
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ぶことのできないこの世界では、無理だ。

「ちょっとぉ! 世界樹ぅっ! そりゃあんまり薄情ってもんじゃないの〜〜!」
「そーですよーーっ」

 リズとシリカが、右こぶしを振り上げて叫んだが、何せ相手は樹だ。『すまん』の一言すらあろうはずもなく、ぬなしく響くだけだった。

「樹に文句言ってもな……」
「強いて言うなら、運営側に、カーディナルに、だな」

 冷静なツッコミを入れるキリトとリュウキ。
 だけど 事態は好転しない。

「うーん……、ここから飛び降りても……」
「む、無茶だよお姉ちゃんっ。その先は地面か、グレートボイドだよっ??」
「死にますよっ!!」
「……絶対死ぬな」
「まぁ、この高さなら確実に。自明の理と言うものだ」

 色々と温度差はあるものの、全員の意見は一致した。

 慌てて、パニックになれば危険だが、今はそこまででもない。……だが、現状況を考えたら、宜しくはないだろう。

 リュウキも、抜け道は無いか、このエリア周囲を視渡した。

 ウルズの依頼内容は、『エクスキャリバーを要の台座から引き抜け』と言うものだ。なのに、引き抜いたら 城事 グレートボイドに突き落とされる、なんて 理不尽極まりない事この上ないだろう。確かにそう言ったトラップはこの世界には無数に存在するが、その手の類とは思えない。どうも毛色が違うからだ。

 さて、どうしたものか……、と、キリトや皆とも協議して、考え様とした時だった。

「よ、よおォし……! こうなりゃ、クライン様のオリンピック級垂直ハイジャンプを見せるっきゃねェな!!」

 何かを思ったのだろうか、がばっ と立ち上がった刀使いが、直径わずか6m程の円盤の上で、精一杯の助走――……。

 今回に関しては、リュウキは《眼》だけじゃなく、それなりに頭を、観察眼を使って色々と考えようとしていた。キリトもこれまで培ってきた経験を頼りに、活路を見出そうとしていたのに、まさかの対処方法をしようとしたクライン(ばか)を見て。

「あ、こ、こらばか! やめ……」
「はぁ……」

 キリトは、止めようと叫び、リュウキは 最早手遅れ、もう無理だ、と悟った様でため息を吐いていた。
 リュウキが正しく、クラインを最早止める事も出来なかった。猪突猛進を止めるのは無理ってものだ。クラインは 制止を振り切り? 華麗な背面跳びを見せた。――その記録、推定2m弱と言った所だろうか。
 確かに垂直跳びの記録を考えたら、十分すぎる程の大々記録だろうけれど、このALOでは一切関係なし。わずかな助走距離を考えれば、立派なもの、と言うもの一切関係なし。


 根っこに掠りともせず、急な放物線を描いてフロアの中心にずしーーんっ! と墜落した。


 すると――、もう
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