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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第223話 エクスキャリバー
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ぶしたのだ。
 そして、その直後、これまで訊いたどんなサウンド・エフェクトよりも重厚かつ、爽快な破砕音が聴覚を駆け抜けた。反動で、キリトの身体がいっぱいに伸び――四方に飛び散る氷塊の中で、右手に握られた長剣が鮮やかな黄金の軌跡を描いた。

 そこまでは良かった。

 剣を引き抜くシーンと言うものは、それなりに使われているシーンであり、感動をうむ。それが高難易度であればある程だ。なのに、余韻に浸るまもなく、次のステージが始まった。

 正八角形の空間を猛烈な勢いで貫いてくる太い根、台座から解放された囁かな根が触れて、絡まり、そして融合した。
 その直後、これまでの振動が まるでお遊び…… 震度にして 1にも満たない程の揺れだったかと思える程の衝撃波がスリュムヘイム城を飲み込んだのだ。

「お、おわぁ!!? こ、壊れ……!?」

 クラインの叫び、全員がひしっ! と互をホールドし合ったのと、周囲の壁に無数のひび割れが走ったのは殆ど同時だった。

 耳を劈く様な大音響が連続して轟、分厚い氷の壁が馬車一台分ほどの大きさで、次々に分離し、遥か真下の《グレートボイド》目掛けて崩落していく。

「……!! スリュムヘイム全体が崩落します!! お兄さんっ! パパっ 脱出を!」

 ちょうど、キリトの邪魔をしない様に、ともう1つのユイの定位置であるリュウキ頭上で、ユイが鋭く叫んだ。だが、生憎とそう易々と脱出はさせてくれそうにない。

「確かに……、黄金の武器を手に入れた後の脱出は、それなりに高難易度だったな。昔のRPGでも」

 何やら思い出した様に、呟くリュウキ。そんなリュウキの身体に、ひしっ! としがみつくレイナの声は僅かに震えている。

「りゅーき、くんっ! そんな、悠長なっ これ、すっごく揺れてるっ 揺れてるよぉっ! それに、階段もっ」

 オカルトもの程苦手ではないにしても、奈落の底へと落ちかねない状況で怖がってしまっても、やはり仕方がないだろう。レイナが振り返った場所に、先程まではあった筈の螺旋階段は、上から殺到してきた世界樹本体の根っこが跡形もなく吹き飛ばしてしまったのだから。
 それに、元の場所に戻った所で、空中に開けたテラスに出るだけだ。

「ん……根っこに捕まるのは? ……だめ、か。無理そうね」

 この状況でもなお、冷静なシノン。真上を仰いで対処法を考えていたのだが、ひょい、と肩をすくめた。

 確かに、玄室の半ばにまで伸びる世界樹の根。それが崩落する筈はないだろう。だから、到達して、しがみつきでもすれば、少なくとも落下は阻止出来る。
 だが、このフロアから、一番したの毛細管までは少なく見積もっても10mはあるだろう。……どう頑張っても、太陽の光、月の光の恩恵を得られないヨツンヘイム。飛
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