暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第223話 エクスキャリバー
[5/21]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
。先程まで、明らかに楽しんでる風だった、シノンも今回のこれは、想定外の事態であるから、震えていた尻尾を、S字に曲げながら叫んだ。

「う、動いてる!? いえ、浮いている………!」

 シノンのその言葉を聞き、全員が現状を理解することが出来た。

 この巨城スリュムヘイムが、生き物の様に身震いをしながら、少しずつ上昇をしている様なのだ。

「っ……! まだ、終わって無かった、か?」

 先の戦いに勝利した事の安堵感、達成感からか、忘れがちになってしまっていたのは、今回のクエストの最終目的の事だ。『スリュムを倒して!』と言う内容ではなかった、と遅くなりながらも思い出した様だ。

「う、うんっ! まだ、まだ クエスト続いてるよ!!」

 メダリオンを首から下げていたリーファが声をあげた。
 まだ、メダリオンの輝きは失ってはいない。だが、光が復活もしていないのだ。ただただ、最後の命の瞬きの様に、小さく光っているだけだった。

「なにぃ! そんなん有りか!?」

 喚くクライン。
 気持ちは誰もが判るだろう。そして、リュウキ自身が安堵した、と言っても誰も責めないし、できない。
 スリュムを倒した時点で、霜巨人族の首領を倒した事で、クエスト完了! となっても、全然おかしくないのだから。

「さ、最後の光が点滅してるよ!!」

 メダリオンに視線を向けていたリーファが悲鳴にも似た声を発したその時。

「パパっ! お兄さんっ! 玉座の後ろに下り階段が生成されています!」
「………!!」
「………ッ」

 生成された階段を見逃していた自分に叱咤したい気分だったリュウキ。
 キリト自身は、ウルズに言われたクエストの内容を思い出していた。エクスキャリバーを要の台座から引き抜かなければならないのだ。
 
 だから、返事をする時間も惜しみ、目で合図を互いに送りながら、猛然と床を蹴って
、玉座の後ろの階段へと駆け出していった。



 仲間達も後ろから続き、走っているのを感じつつ、キリトは、早口でリュウキに訊いた。

「今回のこれ、あのスリュムを倒したのに、地上に侵攻、とかあると思うか? リュウキ」

 スリュムを倒した事で、大円団(エンディング)! と考えていたのだが……、そうではなく、浮かれてしまって 最終的に バッドエンドとなってしまったら……である。

 今受けているウルズのクエストが失敗した場合、つまり地上で多数のプレイヤーが遂行中のスローター・クエストが成功した場合だ。
 その場合は、この氷の巨城スリュムヘイムはこのまま央都アルンまで浮上するのだろうが、しかしアルヴヘイム侵攻の野望を抱いていたスリュムは もう爆散してしまっていていないのだ。あれだけ、盛大に散ったのに、《何事もなかっ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ