暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第223話 エクスキャリバー
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つつ、リュウキは頷く。それを見て、更に目を輝かせるリズ。

「そんなのもあるのね?」

 両頬に手を当てるリズ。どうやら、クラインの持つ黄金のハンマーに照準を合わせた様だ。

「あ、あのなぁ! まだやるなんて、一言だって言ってねぇぞ!」

 慌てて、その重量感あふれるハンマーを抱き寄せるクライン。
 それを見たリズは、にやっ! と笑うと まるで一昔前の幽霊キャラの様な仕草、両手を前にだし、手の甲をクラインに向けて。『カナヅチ〜〜 置いてけぇぇ〜〜』と狙う。
 レイナはレイナで、今回はリズの味方。『ひゅ〜〜どろどろどろ〜〜♪』と効果音、BGMを自身の口で。そして、アスナはただただ、笑っていた。

「あはは………」
「あははっ」
「ふふふ」

 シノン、リーファ、シリカ達は、そんなやり取りを見て、思わず笑っていた。

 周囲には和やかな笑いが起こる。

 リュウキも両目を閉じつつ、表情には仄かな笑みが見えていた。そんなリュウキの傍に寄ったシノンは ボソリと一言。

「《雷神剣》……ね? やっぱり、その名前の方が好きだった?」
「っ……」

 にこっ、と笑いながら そう言われて リュウキは思わず眼を開けた。

「訊いてたのか……?」
「ネコの耳の良さ、舐めない方が良いかもよ?」
「はぁ……気をつけるとするよ」
「ふふ。レイナも猫妖精族(ケットシー)だったら、訊けたかも、だけどね?」
「んんん……、それは、流石に、恥ずかしいから、無しの方向で……」
「はいはい」

 片眼をパチっ と閉じるシノン。僅かにだがシノンの水色の尻尾の先が、僅かにだが左右に振れているのが見えた。これは、『何かを狙っている』アカシだった筈、と一瞬考えていた所で。

「んー? リュウキくん、シノンさん。私の事、呼んだ??」

 まるで 狙ったかの様に、傍にまで来たのは 先程まで リズと一緒に幽霊隊をしていたレイナだった。

「いやぁ、ちょっとね? リュウキのちょっとした可愛らしい顔が見れて、さ?」
「え、えっ? なになに??」

 シノンの尻尾の先が今度は小刻みに震えている。爆笑を必死に抑えているシルシだ

「っ、な、何でもないっ!」

 リュウキが慌てて弁明を図ろうとするのだが、最早手遅れである。
 
 クラインの伝説級武器(レジェンダリー)を奪おうと画策していた筈のリズまでもが、何やら近づいてきた。恥ずかしめを受けてしまうのか? と珍しく、リュウキが内心焦っていたその時だった。



 まるで、体の芯にまで揺さぶるような重低音が大ボリュームで響き、同時に氷の床が激しく震え、波打った。



「きゃああっ!」

 三角耳を伏せて、ピナを抱きかかえながら、シリカが悲鳴を上げる
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