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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第223話 エクスキャリバー
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ー》を持つリュウキを一瞬見た。
プライドはあるのだが……、こうなっては致し方なし、と言う事で、この重石を抱えたまま、跳躍出来るかどうかを検討して貰おう! と対処法が浮かんだのだが、先告通り、リュウキはもうこちら側に戻ってくる事は出来ない。翅を使えないから、あの助走が殆ど出来ないトンキーの背の上から、この円盤に飛び移るのは、クラインでいう《オリンピック級のハイジャンプ!》でも 無理だ。
『キリト!』
『キリトくんっ!』
切迫した声が届いてきた。
全員が、どうやら即座に気づいた様だ。
キリトは、最早打つ手なし。その為、強烈すぎる葛藤に奥歯を噛み締めた。つまり、二者一択。――エクスキャリバーを抱いたまま、墜落死するか、それとも捨てて生き残るか。
『このゲームのデザイナーは性格が悪い』
と以前称していたが、まさにその通りだ。厳密に言えば、デザイナーと言うよりは、《カーディナル》と言う事になるのだろうが……、と細かい部分は置いておく。
この5m間。プレイヤーの欲と執着をあまりにも露骨に試す距離。
「……パパ」
唯一残ってくれているユイは、心配そうに、キリトに呼びかけていた。
それで、キリトは腹を決めた様だ。
「………まったく、カーディナルってのは……!」
苦笑いを浮かべつつ、低くそう叫ぶ。
そして、次の瞬間 右手で掴んでいた剣を真横に放り投げた。もう少し筋力があれば……『剣投げるから、キャッチして!』と頼めただろうが、生憎と横に2mも飛んでいない。
投げて、待ち構えていた向こう側が 失笑してしまう……、なんて 展開が待っている選択をしなくて良かった、とキリトは思いつつ、嘘のように軽くなった身体で跳躍した。
その間も、黄金の光はきらきらと、眩しく回転しながら視界の端を流れていく……。
そして、トンキーの背中にキリトが後ろ向きに着地した途端に、トンキーは八枚の翼を大きく広げた。ホバリングに移行して、落下が止まった。
「元気だして。キリトくん。あそこなら、絶対に誰にも見つからないよ! 次は、絶対だって!」
レイナが声を駆け、そして アスナとユイも続けた。
「……うん。そうだね。また、いつか取りに行けるわよ。あのエリアが開通されたら、いの一番に行こう」
「わたしが、バッチリ座標を固定します!」
3人の励ましを訊いて、キリトは俯きかけていた顔を持ち上げる事が出来た。
「……ああ、そうだな。ニブルヘイムのどこかで、きっと待っててくれるさ」
呟いて、一時は確かに握った伝説の武器に心の中で別れを告げ――としたのだが、『ちょっと失礼――』と言わんばかりに、キリトの身体をズラす者がいた。
『も、もうちょっと……お別れのお時間をくれ
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