暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第223話 エクスキャリバー
[16/21]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
先に。―――よっ、と」

 1人を担いで跳躍をするリュウキ。

 全種族の中でも、屈指の軽量級である猫妖精族(ケットシー)だから、そこまで筋力を要求されなかったのだろう。ピナも上乗せされても余裕で着地。

「シリカ、大丈夫か?」
「あ、あぅ……っ///、は、はいっ! あ、ありがとう、ございます……//」

シリカは、その腕から下ろされて、名残惜しそうに、上目遣いでリュウキを見ていたのだが……。

「むー………」
「……………」

 少々、羨ましい! と思ってしまっているレイナとシノンの視線が痛く身体を突き刺さり、身体を僅かに震わせていた。

 GGO時代、お姫様だっこを経験しているシノン。
 やっぱり、女の子の様な状態ではなく、今のリュウキの方が、間違いなく良いのだろうか、シノンは ポーカーフェイスを装いつつも、物欲しそうにしていたのだった。

 そうこうしている間に、円盤側では、次はクラインがジャンプする事になった。

 普段であれば、約得なリュウキに嫉妬の視線を向けるのだが……、状況が状況だから、今はやや強ばった顔をみせている。

「お、オッシャ、魅せたるぜ、オレ様の華麗な……」

 と、先程のオリンピック〜云々の続きでもしようというのか、じりじり、とタイミングを計る。が、『もう、そう言うのはいい』とでも言わんばかりに、キリトが後ろから背中を思い切りどついた。

「お、おわぁぁぁ!」

 ジタバタしていた助走だったからか、やや飛距離が足りないような気がした、と言うより全然足りなかったから、大絶叫するクライン。
 くぉ―んっ! と、トンキーがまるで『任せろ!』とでも言っているかの様に 啼くと、伸ばした鼻でくるり、と空中でキャッチ。

「うぉぉぉぉぉ!!! こ、怖ェええええええ!?」

 喚き声が、トンキーの鼻で身体が揺らせられる事に響いてくるが、それは盛大に無視するキリト。

 そして――、透明な氷の円盤の向こうで もうグレートボイドは完全に視界全体を埋め尽くす勢いだった。トンキーもこれ以上は 下にこれない様で、今随意飛行している位置から更に低空にはならなかった。つまり、飛び移るまでに要する時間は、完全にボイドに突入する時間よりも遥かに短い、と言う事。もう、あと数秒だろう。

 だから、足早に―――と思ったのだが、ここで恐るべき事実に気がついた。

――跳べない。

 正確には、腕の中の巨大な重石――《聖剣エクスキャリバー》を抱えたままでは、このトンキーまでの距離、目測で5m程が跳べないのだ。

 飛び移る為に、必然的にトンキーが下になる。一度、向こう側に言ってしまえば、後戻りはできない。……後戻りは普通する必要が無いのだが……、この中で唯一 |伝説級《レジェンダリ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ