暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン~戦場で舞う道化師~
アインクラッド編
第五話なれなかった勇者
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に店を展開している鍛冶屋を見つけると声をかけた。


「もう店じまいか?」
「い…いえ!大丈夫ですっ、メンテですか?それとも…」
「強化を頼む」
「強化…ですか」
「何か問題でも?」
「いえそんな……」


サイガ、アスナ、アルゴの三人は鍛冶屋の真後ろの建物にいた。強化詐欺のの解決の為である。


「−−使い手を選ぶでしょうけどすごい剣ですね…この上さらに《速さ》を強化すれば……では、始めます」


「始まったカ」
「はい」
「強化素材を炉に焚べた時のライトエフェクト、確かに見入る瞬間だよなぁ」
「見逃しちゃダメだヨ」
「わかってます」


炉がライトエフェクトを放った瞬間、鍛冶屋の左手が動いた。


「ア…ッ、アルゴさん今ッ!」
「うン…すり替わったネ」


カァン…カァン…カァン…


「…随分と心のこもった丁寧な槌音じゃないカ」
「……そうですね、あの時は強化の成功を祈ってくれているんだと思っていたけど……違ったのね」
「悼んでるからだな。詐欺の為に犠牲になる剣を…」
「そう、あの剣は試行回数残りゼロのエンド品。その強化は…“必ず失敗する”」
「そしてそのペナルティは………」


パリイイイイイイン


剣士が差し出した剣が砕けた。


「すみません!!!!すみません!!!!本当にすみません!!!!」


案の定、鍛冶屋は土下座をしながら謝り始めた。


「いや、謝る必要はないよ」
「は…!?」


剣士がこちらを見て合図をすると、アスナが扉を開け頷いた。


「そうか…」


剣士は兜を外した。


「あれ、あいつキリトだったのか」
「知らなかったの!?」


「わかってみると、案外単純なトリックだな」
「あ…あなたは!?あの時の…」
「悪かったな、騙すような真似して」


「クイックチェンジ」
「!!!!」
「このトリックの種だ。俺は今同じ手を使って君のストレージから取り返した」


瞬時に取り出した片手剣を突き付けて言った


「あいつって無意識にかっこつけてるのかな?」
「まア、キー坊だからナ」


「鍛冶屋が武器スキルModを習得してるなんて思わない、メニューウインドは商品棚、Modエフェクトは炉の光と音で隠す、
天才的な手口だ」
「ッ!!!」
「署までご同行願おうか」


















宿屋の一室でサイガたちは取り調べを始めた。


「…要するに、武器は全て換金して豪遊し、ほとんど残ってない、そういうんだな、ネズハ」


鍛冶屋ネズハは呆然と俯きながら答えた


「…はい…本当に申し訳ありま
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