暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜漆黒の剣聖〜
アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第二十三話 その想いを胸に
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しかしどこかさびしげな表情でルナの頬を撫でる。いきなりのことにルナはキョトンとした表情になるが、撫でられる気持ちよさに目を細める。不意に頬を撫でていたソレイユの手が頬を伝い顎に伸ばされると、そのまま持ち上げられ唇がふさがれた。それは、激しく求めあうようなものではなく、ただ触れるだけのものであった。触れ合っていた唇は数秒後にはどちらからともなく解かれた。

「ごめんな・・・いってくるよ・・・」

「ううん、気にしないで。それよりも、無事に帰ってくるのを待ってるから無理だけはしないでね」

「ああ・・・」

ルナの言葉に頷くと、ソレイユは身を翻し家を出て行く。残ったルナは胸を撫で下ろし、ため息をついた。

「ばれて、ないよね・・・?」

自分に問うように投げ掛けた言葉に反応するものはいない。それをあらためて認識した途端、ルナは寂しげな表情を隠そうともせず、ソレイユの出て行ったドアを見つめながら呟いた。

「月がきれいに輝けるのは、太陽があるからなんだよ・・・」

ルナにとってソレイユというプレイヤーはその名の通り太陽みたいな人なのだ。彼がいるから自分は頑張れる、生きていける。逆を言えば、彼がいなければ自分は何もできないということだ。

「ここまで、人を求めた事なんて無かったのになぁ・・・」

天井を見上げながら呟くルナ。その表情は先ほどまでの寂しげな表情とは一変して、悲しげな不安に満ちた表情であった。何かを恐れるようなその表情は恋人であるソレイユとて見たことはないだろう。
ソレイユと触れ合うことで得られる暖かさを知ってしまったルナはもう彼から離れることはできない。
ソレイユが私のもとからいなくなるわけではない、ということは頭では解っている。しかし、だからといって心で理解しきれるかと聞かれれば、答えは否である。
ソレイユの前では強がって大丈夫だと言ってしまったが、全然大丈夫ではなかった。もしも、戻ってきて、と言えば戻ってきてくれるのだろうか?やさしい彼のことだからきっと戻ってきてくれるだろう。
もっと彼のことを知りたいと思う。もっと彼と一緒にいたいと思う。もっと彼に触れてもらいたいと思う。もっと、もっと、もっと・・・。
それでも、だからと言って我儘を言ってはいられない。彼には彼の生き方があるのだ。いくら恋人だからってそれを捻じ曲げていいはずがない。
しかし、そうとわかっていても、ルナの口からは言葉が漏れてしまう。

「ソレイユ、早く、帰ってきて・・・」

呟かれた言葉は虚空に消える。それが無性に寂しくて、切なくて、どうしていいかわからなくなってしまう。愛する人にすぐに触れ合えなくなってしまって初めて知ってしまう。自分のなかで、彼の存在がどれだけ心を占めているのかを。
寂しさに彼のぬくもりが残っているであ
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