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神様になって世界を裏から操ります、黒幕は精霊です〜箱庭の絶対者〜その1
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 俺を召喚してくれた王女様も、次第に俺のことを理解してくれるようになった。
 最初は奴隷の何がいけないの? って顔していたけれどね。
 徐々に、徐々にだけれど、亜人差別もなくなっていくんじゃないかな――そう思ってたんだ。


 王女様との婚約も決まって、順風満帆。
 と、思ってたらヒューマン至上主義者に襲われた。
 幸い王女様は無事だったけれど、あと一歩で死ぬところだった。
 だというのに、周囲の人間は、天罰だというんだ。
 染みついた特権意識、都合のいい一神教への強制崇拝とヒューマン至上主義は、もはやどうしようもなかった。
 ありていにいって、この国は腐りすぎていた。
 だから――――ぶっ壊してやった。


「勇者様、どうかしましたか?」
「あぁ、昔のことを思い出していてな。それと、勇者様はやめてくれ」
「ふふ、わかったわ。タロウ」
「なぁ、エリィ。俺は……俺たちは正しかったのだろうか」
「それは誰にもわからないわ。けれどね、あなたについてきてよかったわ。私だけじゃなく、みんながそう思ってる」


 帝国はいま血で血を洗う内乱のまっさなか。だいたい、俺のせいだ。
 その王女様に、許しをもらえて安堵する自分がいる。いまも大勢の人間が戦火に苦しんでいるというのに。


 だから、この東方フロンティアに逃げてきたんだ。
 いまは妻となった王女様のエリィ――エリザベートと、俺を信じてついてきてくれた人たちとともに。
 種族も身分も関係ない理想の国をつくるために。


 さて、辛気臭いのは終わり。
 今日も頑張って、このフロンティアを開拓するぜ!
 けど、あんまうまくいってないんだよな。
 降水量が少ない不毛な大地。危険がいっぱいの森。
 大自然相手じゃ勇者の力なんか役にたたないし。生活にも役に立たん。
 春まで食料がもつかどうか……。内心焦りが募っていく。
 周囲には隠しているが、心労で眠れない日々が続いていた。


『お困りのようですね』


 誰だ!?


『私は、土の精霊ノームといいます。私と契約してください。さすれば、大地に実りを約束しましょう』


 これが、俺と精霊との出会いだった。





【勇者と精霊 著アルバ・シュミット】


 勇者と王女一行は、帝国を脱出し、東方へと向かった。
 いまでこそ、フロンティアはポジティブな意味をもつが、当時の東方フロンティアは、不毛な大地と魔物がはびこる樹海がる『忘れ去られた世界』だった。(中略)


 勇者と精霊が契約した日をもって精霊文明の誕生とする説が有力である。
 しかし、当時は文明と呼ぶにはいささか無理があるように思われる。
 なぜならば、食料こそ土の精霊魔法に依存していたも
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