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鎮守府の床屋
後編
6.カウントダウン
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け……?

「んじゃハル、シャンプーお願い! ちょっとスッキリしたいしね!」
「あいよ。んじゃシャンプー台で待っててくれ」

 川内を先にシャンプー台に向かわせ、俺はタオルを準備して川内のシャンプーの準備をする。……しかしあれだなぁ。思わずツッコミをしてしまうほど、みんなの幻がナチュラルな存在になりつつある。……大丈夫か俺。スピリチュアルスキルでもあったのか?

――すみません 姉と妹がご迷惑をおかけしてます

 別にそんなことは思ってないよ。だから気にせず出てきてくれ。つーか出来れば川内の前に出てくれ。

 恐らくは神通って子と思われる声と意思疎通をしながら、川内のシャンプーをしていく。肩につけた那珂ちゃんショルダー探照灯はやはり軍事用の道具らしく、防水バッチリな仕様のようだ。こうやってシャンプーしている最中ちょこちょこ湯がかかってしまっているが、問題なく稼働するようだ。

「どこかかゆいところはないか川内〜?」
「左の足の裏の……」
「却下だ!!」
「だったら夜戦!!!」
「やるかたわけがッ!!」
「やーせーんー!!!」
「却下だと言ってるだろう妖怪夜戦女!!」
「ハルと夜戦したいのー!!!」

 ったく……どいつもこいつも……なんで足の裏がかゆくなるんだよ……つーかなんで俺に足の裏をかかせようとするんだよ……。

 その後はいつもの如くシャンプーは終了。充分に髪を乾かした後は、両肩をポンと叩いてあげて終了だ。

「ほい。川内おつかれさん!」
「ほっ! ……あ、そうだハル」
「ん?」
「あのさ。今度私、井上さんとこに行くんだけど、よかったら一緒に行く?」

 『井上さん』ってのは、以前の肝試しの時に助けた猫の親子、ミアとリリーを引き取ってくれたご夫婦だ。川内はミア達に懐かれたので、こうやって時々会いに行ってるらしい。

「行くのは構わんし俺も行きたいけど、今度っていつ頃だ? それにもよるなぁ」
「とりあえず来週末あたりになりそう」
「だったら大丈夫だな。あとは球磨の予定も確認しとくか……大丈夫だとは思うけど」
「……そうだね! 球磨にはハルが聞いといて!!」

 川内と違って俺はミアとリリーに会うのは久々だからな。今回はちゃんと懐いてくれるといいんだが……あーあとあのアホ毛女にも。自分に猫が懐いてくれないことにショックを感じてたみたいだし。

「あー……ところでハル」
「ん? まだなんかあるのか?」
「別にいいとは思うんだけど……なんだかもう球磨と一緒にいるのが自然みたいな感じ?」
「なんでだよ……」

 失礼なことを言い出すヤツだ。なんで俺が妖怪アホ毛女と一緒にいるのが自然なことになってるのか。

「ハル兄さん、自覚がないんだね〜……」
「あ、北上も気付いた
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