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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二話 魔法と少女 前編
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俺のしていることでさえも、どこかで誰かの助けになることがあるのかもしれない。

 そう思うと、先ほどまでの俺は少し慢心していたのかもしれない。

 一人で生活できる。

 その環境は、一人で何でもできるようになったと錯覚させてしまっていた。

 本当は何も変わらないのに。

 俺は誰かに助けられているだけだってことを、忘れてしまっていた。

「……反省だな」

 素直にそう思った。

 そして同時に、感謝の想いが強まった気がした。

 俺をこの世界に住まわせてくれた艦長や、色んなものを寄付してくれた仲間達。

 みんながいて、俺がここにいるのだから、その感謝は忘れてはいけない。

 そしてみんなの思いに報いるためには、やっぱり精一杯生きるしかない。

 今の俺には、それ以外にできることはないのだから。

《……大丈夫ですよ》

 そんな決意を察してか、アマネの声音が優しくなる。

《マスターはまだ幼い。 しかし幼いながらに、周囲の優しさを理解できる感性をお持ちです。 ですから今のうちにその優しさを、時には厳しさを知り、いつか“あなた”が大人になった時に同じことを後に続く者に教えてあげればいい。 そうして想いは、受け継がれていくのですから》

「想いは受け継がれる……か」

 アマネは時々、俺には理解できない難しいことを言う。

 それは決してバカにしているのではなく、大人に対して話している感じだった。

 大人の感性なら理解できるような話しを、大事な時にしてくる。

 きっとアマネは、いつかの俺に向かって言ってるんだと思う。

 今はまだ理解できなくていい。

 でもいつかきっと、色んなことを理解できる時が来たとき、思い出して欲しいんだと思うんだ。

 大切な言葉として。

 いつか多くの部下や後輩、そして……子供に出会う時、何も分からない彼らを大切にするために。

 今の俺は、色んな人の背中を追う立場だけど、いつか追われる立場になるから。

 その時にみっともない背中を見せたないために、アマネは敢えて難しいことを伝えてるんだと思う。

 ……ほんと、優秀なデバイスだよ。

 俺にとって自慢の相方だと、本当に思う。

「アマネ、一つだけ聞いていい?」

《なんでしょう?》

 俺はその場で立ち止まり、空を見上げた。

 雲一つない夜空に、綺麗な星々が広がる。

 手を伸ばせば届くんじゃないかって、そう思えるくらいにはっきり見える空に、俺は手を伸ばしながら聞いた。

「俺は、立派な魔導師になれるかな?」

 今の俺はまだ子供で、将来の夢とか、これからの人生とか聞かれてもさっぱり分からない。

 でも、空を飛ぶのは好きだ
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