暁 〜小説投稿サイト〜
鎮守府の床屋
後編
5.ハッピーハロウィン!!
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とは思えん……

「お菓子じゃなきゃダメか?」
「? どういうこと?」
「まぁ待ってろよ……」
「? 球磨姉なんか聞いてる?」
「聞いてないクマ……」
「ぐぅ……」
「ひょっとして……夜戦……?!」

 約二名を除いて、みなが俺の唐突の発言にあっけにとられているようだ。……クックックッ。昨日買い出しした甲斐があるってもんだ。

 俺は店の奥に隠してあった、『Danger!!』と描かれた1メートル四方の大きな木箱を持ってきた。この中には、昨日おれが乾物屋の店主と共に市街地で集めたこいつらへのプレゼントが入っている。

「クックックッ……約一名を除き、お菓子ではない。お菓子ではないんだがなお前ら……」
「い、一体何を準備したんだクマ……?!」
「クックックッ……慌てるな妖怪ハロウィン女。……まずはお前からだ隼鷹!!」
「?! あたし?!」
「妖怪飲んだくれ女にはこいつだッ!!」

 俺はもったいぶって、木箱の中から隼鷹のプレゼントをおずおずと取り出した。

「こっ……これは……?!」
「むはははは!! 喜びでむせび泣け隼鷹!!」

 俺が隼鷹のために準備しておいたプレゼント……それは、酒屋で『おすすめ下さい』と言っておすすめされた珠玉の銘柄……

「磯○慢だッ!!」
「酒?! マジでッ?! しかも磯○慢ッ?!!」

 俺が木箱から取り出した一升瓶を見て、隼鷹が口を大きく開けてマジで驚いている。クックックッ……驚け隼鷹!! これ高かったんだぞ?!

「当たり前だよ磯○慢って言えばけっこう値の張るヤツじゃん!! マジでいいの?!」
「構わん! そのために買ってきたんだからなッ!! 提督さんと楽しめ!!」
「うわぁああああんマジでありがとうハル!!」

 恋する乙女みたいな顔で、俺が手渡した一升瓶の磯○慢に頬ずりしている隼鷹を見て、どう贔屓目に見ても飲んだくれのおっさんにしか見えんと思ったのは、永久に秘密にしておこう……提督さんと楽しんでくれ。

「そして続いてはお前だ加古ッ!!」
「え……何……? ぐぅ……」
「いつもいつも眠りこけやがってこの妖怪ねぼすけ女ッ!!」

 そして俺は次に、加古へのプレゼントを木箱から出してやった。加古へのプレゼント……それは、ふかふかの低反発素材で作られた、珠玉の枕。

「テ○○ュールの枕だっ!!」
「え……てん……なに? くかー……」
「驚けよもっと……いいからちょっとこの枕使ってみろ」

 そう言って俺は、木箱から取り出した四角い枕を、うとうとしている加古に渡した。加古はふらふらしながら俺から枕を受け取った途端、急に目をカッと見開き、俺をその驚愕の眼差しで見つめた。

「ちょっとハルなにこれ! ふかふかだ!!」
「だろ? おれが寝
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