暁 〜小説投稿サイト〜
鎮守府の床屋
後編
5.ハッピーハロウィン!!
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がキレイに禿げ上がった店主のおっさんが出てきた。

「どうも〜。今日はお菓子を買いに来ました〜」
「ぁあ鎮守府の。その節はどうも」
「はいこちらこそ」

 お互いに軽く会釈する俺達。サービス業を営む物同士の、礼節の取れた客と店員の関係は気持ち良い。

「ところで今日は何の入用で?」
「ハロウィンなんで、お菓子を買いにきたんですよ」
「ほう」
「とはいえ、このハロウィンパックは……」
「和菓子だけだからね……我ながら申し訳ない……」

 店主も頭を抱えるようなラインナップのものを、なぜ店頭に並べるのかが理解に苦しいが……何か理由があるのだろうと無理やり自分を納得させる俺だった。

 ……よし。普通のお菓子は諦めた。

「大将。ここって他の店とも顔なじみ?」
「顔なじみだよー。どこに何が売ってるかはだいたい把握してるさ」
「んじゃさ……」

 その後は大将に導かれ、酒屋、洋菓子屋、寝具店、電気屋、本屋、ドラッグストア、そして魚屋に向かって買い物を済ませた。最後に乾物屋の大将が……

「うちでも何か買ってよ〜……」

 と恨めしい表情で見てきたので、裂きイカ1キロをその場で購入。店主は涙を流して喜んでいたが……食いきれるかなぁ……

 鎮守府に戻ったら、その日は何事もなく終了。球磨と北上と俺の三人で晩飯を食ってた時、

「すんすん……なんかハルから妙な匂いがするクマ……」

 と言われて体の匂いを嗅がれた時は時はちょっとキモを冷やした。買ったものがバレませんように……。

「……まぁいいクマ」

 ほっ……

「でもやっぱ気になるクマっ」

 ぎくっ?!

「でもまぁいいクマ」

 ふぅ……

「でもやっぱり気になるクマっ!」
「俺で遊ぶのはやめろ妖怪アホ毛女!!」
「ブァファファファ!!! 今日はハルの反応がいちいち面白いクマ!!」
「いちゃいちゃしてないで早くご飯食べたら〜?」
「「黙れ妖怪おさげ女!!」クマッ!!」

 その後は風呂に入り、自分の居住スペースに戻る。今日買った品物がバレるわけにもいかないので、今日は隼鷹たちが酒盛りに来ないように、入り口に鍵をかけた。

「……ふう。よし……これで明日のトリック・オア・トリートの準備は……」
「やせー」

 唐突に川内が窓を開けて侵入しようとしてきたので、すぐさま窓を閉めて鍵をかけた。あぶねーあぶねー……バレるとこだったぜ……。

『ハルゥゥウウウ!!! やせーんー!!!』

 外で窓をガンガンと叩く川内。ヤバいこの光景だけ切り取ったら夜中にゾンビに襲われてるようにしか見えん。

『ハァァアアアアルゥゥウウウ!!! やーせーんー!!!』
「うるせえ妖怪ゾンビ女!! 今晩はバーバーちょも
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