第2章:埋もれし過去の産物
第34話「イレギュラー」
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や、待てよ?
アレが緋雪の闇の欠片とは限らないんじゃ...?
ムートと言う知らない人物名が出た以上、緋雪に似ているだけの誰かの可能性が...?
「この曖昧な記憶。夢のようなあやふやな思考...そうだよ。私はただの鍵。本物じゃないんだよ。...ふふ...あはは....!」
「ひっ.....!?」
よくわからない事を呟き、またもや嗤う。
それに緋雪は怯える。
「思い出させてあげる!さぁ、泡沫の夢から覚めなよ!」
「っ....!」
僕になんぞ見向きもせずに、緋雪へと闇の欠片は迫ってくる。
「させ...ない.....!」
「っ...またお前...!」
そこを司さんが再び拘束魔法で止める。
「くぅぅ....!」
「緋雪、逃げろ。...ここは僕と司さんが。」
「え...でも....。」
緋雪にそう呼びかけるが、突然言われても心配なのだろう。
緋雪は逃げるのを渋る。
「なぜかは分からんが、狙いは緋雪、お前だ!だから、早く逃げろ!!」
攻撃力だけならU-D並の脅威だ。油断は一切できない....!
「でも...お兄ちゃんと司さんは...!」
「....二人掛かりなら、何とかなるさ...!」
その時、司さんの拘束魔法がまた引きちぎられたので、僕は斬りかかる。
「行け!僕らが足止めしている内に!」
「っ....!」
押し切られそうになる程の力による攻撃を、何とか受け流しながら緋雪にそう言う。
緋雪は僕らを心配そうにしながらも、言うとおりに逃げてくれた。
「『司さん、アースラに映像は?』」
『さっきサーチャーを飛ばしたから送ってるよ。』
...よし、これで他の人達にも情報は行きわたるはず。
後は....。
「っ、がっ、ぐぅ....!」
「あは!あははは!それそれそれそれぇ!!」
爪による乱撃をぎりぎりで受け流し続ける。
くそ...!デタラメすぎる力だ...!
「聖なる光よ!槍となりて、敵を貫け!」
〈“Holy lancer”〉
光の槍のような魔力弾が闇の欠片に襲い掛かり、僕の負担が少し軽くなる。
「だからぁ....!」
「っ....!(まずい...!?)」
「邪魔だって言ってるでしょ!!」
―――“L?vateinn”
闇の欠片の手に、炎が揺らめくような大剣が現れ、振るわれる。
咄嗟に僕らは回避と防御魔法を同時に行う。
「ガッ....!?」
「きゃあっ!?」
しかし、僅かに間に合わず、防御魔法を砕かれ、僕ら
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