第2章:埋もれし過去の産物
第34話「イレギュラー」
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
がしやすい構えを葵は取って...。
「...はっ!!」
全てを切り裂いた。
「...喰らいなさい。」
―――“弓技・矢の雨”
「っと、“扇技・護法障壁”!」
私が放った矢の雨をとこよは扇を使って張った霊力の障壁で....って、あれ?
「(....霊力が、感じられない...?)」
「くぅうう....!」
しかも、簡単に防げるはずの攻撃を、とこよはギリギリで防ぎきる。
「....そういう..事。」
偽物だから、どこか本物とは違うって分かってた。
ただ未練があったからこうやって出現したのも分かってた。
...けど....。
「魔力で霊力を代用するだなんて、ちょっと私達陰陽師を舐めすぎよ。闇の欠片。私達に対して喧嘩売ってるのかしら?」
「...かやちゃんも気づいてたんだね。...本当、全然質が違うのに、再現できる訳ないのに。」
「....そうだよね。」
私と葵のその言葉に、とこよの闇の欠片が同意した。
「...うん。今が夢のような感覚で、私は偽物だって言う事、分かってるよ。」
「....あんた....。」
「私は二人の大事な記憶で、未練。再現度も高くなるよ。...能力以外はね。」
まさか、自身が偽物だと自覚しているとは思わなかった。
「...じゃあね、二人共。最後に、奥義を見せてくれると嬉しいな。」
「....葵。」
「うん。分かったよ。」
私は矢を番えて狙いを定め、葵はレイピアを居合のように構える。
「“弓奥義・朱雀落”!」
「“刀奥義・一閃”!」
私が焔に包まれた矢を放ち、それが命中する瞬間に、葵が霊力を込めた強力な一閃を放つ。
それらは、とこよの胸と首へと吸い込まれ、とこよは何も言わずにそのまま消えた。
「.....未練、ありすぎね。」
「そう...だね。」
いつも明るい...明るすぎる葵も、少し暗くなっている。
「....あの時と同じ名前を与えられたからかしら?未練が大きくなったのは。」
「そうだねー。優ちゃんのせいかな。」
...まぁ、懐かしい気分になれたわね。
「椿お姉ちゃん!葵お姉ちゃん!」
「あら、ヴィヴィオ。どうしたのかしら?」
上からヴィヴィオが降りてくる。
...そういえば、放置してたわね。
「気が付いたら下に降りてたんだもん!しかも戦ってたし!」
「ごめんねー。あたし達が終わらせるべきだったからつい...。」
葵がヴィヴィオに謝る。
すると、アインハルト
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ