第2章:埋もれし過去の産物
第34話「イレギュラー」
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た。
それでも彼は、数少ない兵で襲撃を足止めし、彼女を止めに行きました。
....結果は、悲惨でした。
幾度にも重なる暴走と、自身への恐怖に、心が壊れてしまったのでしょう。
狂気に完全に呑まれてしまった彼女に、彼は殺されてしまいました。
もう、正気に戻る事のない彼女は、まず故郷と攻めてきた国を滅ぼしました。
狂気に嗤い、破壊を楽しむかのように。悪逆の限りを尽くしました。
....もう、誰も彼女を止められませんでした。
それは、導王の友人であった聖王と覇王にもその事は知れ渡りました。
すぐさま聖王と覇王は共闘し、彼女の討伐へと足を運びました。
...既に、彼女によって殺された者は数え切れず、世界中の人々に恐れられていました。
人々を虐殺し、狂ったように嗤う彼女。
恐怖と畏怖を込め、人々は彼女を“狂王”と呼びました。
聖王と覇王が駆け付けた所には、殺された無惨な死体が積み重なっていました。
そして、聖王と覇王は彼女へと挑みます。
...深い悲しみと狂気を、終わらせるために....。
長い死闘の末、聖王と覇王は彼女を討つ事に成功しました。
....狂気による悲劇は、ここで幕を降ろしたのです。
歴史には、彼女の事が悲劇を生み出した悪魔として語られています。
曰く、彼女は最初から導王を殺すつもりだった。
曰く、ほぼ全て彼女が自ら望んだ事だった。
....など、導王を殺した事により、彼女は恩人を殺した悪魔として語られました。
それは史実であると思われ、どの文献を見ても、同じように記されていました。
何もかもを殺し、破壊し、狂気の赴くままにベルカを混乱に陥れた狂王。
―――....しかし、本当に彼女は狂っていたのでしょうか...?
=椿side=
「はぁぁああああっ!」
「くっ...はっ!」
葵が連続で刺突を繰り出し、とこよがそれを躱してから反撃の一撃を繰り出す。
「させないわよ!」
「くぅっ...!」
それを私が矢を放つ事で妨害する。
「っ....これならどう!?」
飛び退き、間合いを取ったとこよは御札を三枚取り出し、私達に投げつけた。
それに込められていた術式は“火炎”“氷柱”“風車”の三つ。
「......っ!」
―――“刀技・黒曜の構え”
三つの属性故、不用意の防御じゃ意味がない。
だから、どの攻撃にも対処
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