暁 〜小説投稿サイト〜
Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#31 コーラル城の戦い
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
角からモンスターが飛び出してきた。
 完全に虚を突かれたアニス。トクナガが全ての攻撃を受けてくれたのだが、その勢いまでは殺せなかった様だ。

「きゃあああ!」

 アニスは吹き飛ばされてしまった。

「こ、このっ!!」

 アルは、咄嗟に《ファイヤーボール》を飛ばすが、獣の俊敏さか。軽く躱わされてしまった。

「くそっ、あいつら 普通のモンスターより、動きがすばやい……」

 アリエッタの従えているモンスターは野性のモンスターよりも何枚も上手のようだ。

「いったーい! もー 酷いじゃない!! アリエッタ!!」

 吹き飛ばされたアニスを見て、とりあえず安心するアル。吹き飛ばされてしまったから、心配だったのだが……罵倒するだけの元気はある様だ。
 
 そんな中、当然ながらアリエッタも黙ってなかった。

「酷いのはアニスだもん! アリエッタのイオン様を盗っちゃった癖に!!」

 アリエッタの叫びは当然、この場の全員。……一緒に来ているイオンにも聞こえた。

「どういうこと…?」
「い…いえ 違うんです! アリエッタ! 貴女を導師守護役(フォンマスターガーディアン)から遠ざけたのは…そういう事ではなくて……」

 イオンは悲しそうな顔で、アリエッタに説得を試みようとするが……、完全に訊いてくれる様子はなかった。

 アルはアリエッタの言っていた意味が、完全に理解できていたようだった。

 
 だが、その後アリエッタは更に信じられないことを口にしていた。

「その人たちも酷いんです… だってアリエッタのママ(・・)を殺したもん!!」

 心の底からの叫び。……悲痛な叫びが伝わってきた。
 嘘を言っている様には見えなかった。

「ママ…? 一体何のこと……?」

 アルは、理解できないどころではない。

 今まで、戦ってきた。――沢山戦ってきた。
 だけど、今までの戦いは全て守る為の戦いだった。……確かに 敵兵士達も手にかけてしまった事もあった。だけど、誰かの母親を殺した、事実は全く身に覚えがなかった。

 その疑問に答えてくれたのは、本人だった。


「ママはお家を燃やされて… チーグルの森に住み着いたの……」


 《チーグルの森》《森を燃やされた》
 それらのキーワードが、合わさっていき ある形が生まれた。  

「みゅっ!!」

 ミュウは気付いたようだ。

 そう、アリエッタの母親とは、人間ではない。


「ママは子供達を…アリエッタの弟と妹を守ろうとしてただけなのに!!」


 あの時の戦いもそうだった。
 確かに、守ろうとしていた。一族を 家族を守ろうとしていたのは事実だった。間違った方法だと思うが、それは人間側の価
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ