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ロンドン塔
2部分:第二章
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「ああ、王妃もそうだからな」
 そうした話をしながらだ。廊下を進んでいく二人だった。そしてやがてだ。
 二人の目の前にだ。ある一団が現れた。それは。 
 テューダー朝独特のだ。くすんだ色に丈の長い。そして袖の辺りは白いフリルになっている女官の服を着た女達だった。そしてその先頭には。 
 白い顔に髪を後ろで団子にして束ねた美女がいた。身体全体が細いがとりわけ首が細い。その美女を見てだ。ウィリアムはすぐに言った。
「まさかあの方が」
「ああ、出て来たな」
 慣れているという口調でだ。リチャードが答える。
「あの方がだよ」
「アン王妃ですね」
「そうだ。今日は首がおありだな」
 今日はというのだった。ここでだ。

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