クロスエンカウント
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「この状況だ、致し方ない。それに私達PMCは雇われればどの勢力にもつく……向こうもそれぐらいは知っているはずだ。ま……アウターヘブン社が関わっている事を管理局に知られるのは出来る限り避けたいから、姿を見られない様に狙撃に徹するけどね」
「そうだな。もし“裏”に知られたら変な口実でマザーベースを襲撃してくる可能性も無きにしも非ずだ。危険を招く可能性は無い方が良いもんな」
「同感。それじゃあ狙撃ポイントはこの辺りからで……」
シュタッ。
「おわっと!? な、なんだあんたか……驚かせるなよ……」
「頼むからいきなり後ろに立たないでもらいたいな、いつか間違って撃ってしまいそうだし。……でも来てくれたのは重畳。援護するからあいつらの足止めをお願いするよ、ビーティー。追い返すだけでいいから、あんましやり過ぎないでね……」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一方……第118空士部隊。
「敵を発見した。攻撃を開始します!」
「気を付けるんだ、皆。撤退中とはいえ、敵の反撃が無いとは限らない」
「わかってますよ、アーネスト隊長!」
「さて……エターナルブレイズの称号を授かった実力を見せてもらおうじゃないか、特務捜査官?」
「カイ副長の期待に応えられるかわからないけど、やれるだけやってみせます」
発破をかけられたフェイトはバルディッシュを構え、新たな部隊の仲間と共に突撃する。相手を治安を乱すテロリストだと思い込んだまま、魔法の力を解き放とうとしたが……。
「魔力充填、クラッシュバス―――おふっ」
「な、まさか狙撃!? どこから撃ってき―――ふぅ」
先制攻撃で砲撃を放とうとした118部隊の二人が、どこからともなく放たれた麻酔銃の先制ヘッドショットを受けて逆に撃墜、砂漠へ落下していく。フェイト、アーネスト、カイはそれぞれ狙撃に対し反射的な回避、迎撃、防御で難を凌ぐ。だが相手の狙いは恐ろしいほど的確で、一瞬たりとも気を抜いたらその瞬間先に落ちた二人の様に撃墜するのは明白だった。
「この針の穴を通すまでの命中精度、私達の思考をどこまでも読み通す観察眼……まさか向こうには……!」
「クッ、追い込んだつもりが逆に誘い込まれていたか!?」
「隊長! 南から新手が接近中だ!」
「数は!?」
「一人! だけどこいつは……まさか報告書にあった……!!」
戦慄するカイの様子を見て、アーネストも迫りくる存在が誰なのか察し、背筋に冷たい汗が流れ出す。バルディッシュの刃で麻酔弾をどうにか防ぎつつ、フェイトはその存在を目視しようとし、絶句した。
「へっ!?」
正面から――――半ばへし折れたビルが迫っていた。
「う、うそぉおおおお!!!?」
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