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リリなのinボクらの太陽サーガ
クロスエンカウント
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「マキナ達の状況は?」

『どうやらイモータル配下のモンスターと交戦したらしいが、本隊が到着する前に全て片付けたらしい』

「モンスター……!?」

『心配せずとも彼女は切り傷すら負っていない。敵に一切近づかれずに全滅させたようだからな』

「流石マキナちゃん、狙撃手の面目躍如だね」

『あのビーティーを友人と言える人間だ、モンスター相手に倒されるようなことはあり得ないだろう』

ジョナサンが発言した『友人と言える』という言葉に、奇妙な違和感を感じたなのはとジャンゴ。それはまるで普通の人間では友人にすらなれないと言わんばかりで、同時にジョナサンの口調はどこか彼女を畏怖している印象を抱くものだった。

「質問ですけど、ビーティーさんの事を皆さんはどう思って―――」

『待て! この魔力反応は……まさか!!』

突然余裕が無くなったジョナサンの様子に、否が応でもジャンゴ達に緊張感が走る。そしてもう片方の作戦領域では、あまり望ましくない再会が生じていた。


新暦67年9月17日、13時13分

砂漠北東部、大勢のトラックや戦車で構成されている本隊が撤退していくのをマキナとアギトは高架橋道路の上から見届けていた。そんな時、ジョナサンらウルズ作戦司令部から連絡が届く。

『警告! 北から国籍不明魔導師が5人接近中!』

『こっちでもターゲットを視認、管理局の空戦魔導師が5人!』

『なんてこった!』

空戦魔導師……管理局内でも屈指の実力を持つ彼らは、たった一人でも戦闘機と爆撃機の両方の性質を併せ持った大きな脅威である。それが5人ともなれば、ここにいる本隊を壊滅させることなどいとも簡単に出来てしまう。ウルズ兵達の顔に絶望の色が浮かぶ中、司令部は冷静に指示を下す。

『全部隊、会敵せずに帰還せよ。全速力で南へ向かえ!』

『りょ、了解!』

先程より撤退速度が速くなった彼らを横目に、マキナはやって来た空戦魔導師部隊の姿を双眼鏡で見る。そしてすぐに見つけてしまった……彼女の存在に。

「フェイト・テスタロッサ……!? なんでこんなタイミング!?」

「何っ、もうなのはの友人が来てるってのか!?」

「想定では少なくとも一か月以上後だと思ってたのに、こんな初っ端から遭遇って……なんかここ最近ものすごく運が悪い気がする。ちょっとお祓い行った方が良いかなぁ……」

「おいおい、頼むぜ姉御。一応大丈夫だとは思うけど、不幸な事故でポックリ逝ったりしたら、アタシ本気で泣くからな?」

「……」

「な、なんだよ……何か変な事でも言ったか?」

「いや……アギトは私のために泣いてくれるんだ。なんか嬉しいね」

「茶化すなっての……つぅかどうするんだ? あいつらと戦うのか?」
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