暁 〜小説投稿サイト〜
ロココの真実
7部分:第七章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初
すか」
「そのことがわかったんですか」
「ええ。大変な連載だったから」
 それ故にだというのだ。
「わかったわ。そうした意味でもね」
 どうかと。カトリーナはしみじみとした顔になった。そのうえでだ。
 共にいるアシスタントや編集者達にだ。こう言ったのだった。
「いい連載だったわ」
「ならです」
 ここで編集者の一人が早速言ってきた。
「今度の連載もロココでいきますか?」
「それは遠慮するわ」
 あっさりとだ。カトリーナはその提案は一蹴した。
「絶対にね」
「あれっ、けれどいい連載だったって」
「大変って言ったでしょ。同時に」
「それはそうですけれど」
「だからよ。あんな徹夜続きで毎日死線の連載なんて二度と御免よ」
 今度は過去を思い出してうんざりとした顔になってだ。カトリーナは言った。
「もう絶対にね」
「そうですか」
「今度の連載はね。格闘ものに戻るわ」
「先生の得意分野にですか」
「そうよ。流石にあの連載をもう一度ってのはね」
 うんざりとした顔のままでだ。カトリーナは一同に話していく。
「お断りするわ。一度でいいわ」
「ですか。じゃあ今度はですね」
「格闘漫画に戻って描きますか」
 編集者とアシスタント達も実際にだ。そのカトリーナと共にいた大変な過去を思い出してだ。 
 そのうえで頷きだ。これからのことも見るのだった。
 カトリーナはその彼女達を見て大変だった過去を振り返り笑顔になった。もう二度と経験したくないがそれでもだ。彼女にとって非常に実り多いその連載を思い出しながら。


ロココの真実   完


                      2012・2・29

[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ