レベルの意味
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「おはようございま―――」
”メキゴキィ…!”
文頭一番から扉が壊れた。
ドアノブから、取り付けの金具まで盛大な亀裂が入り、カラカラと音をたてて崩れ落ちた。
「………老朽化かな」
「違いますよ!明らかに貴方が壊したんでしょうが!」
そう言ってくるのは、ソーマ・ファミリアの4人のうち一人。
最近逞しく成りつつあるケビン・マクライト君だ。
「いやいや、よく考えてくれよ。
普通に開けただけでドアが崩れ落ちるか?
見てみなよ。あの綺麗に崩れ落ちたドアの残骸を。
明らかにああなるように仕向けられた見たいじゃないか。
これはもう巧妙な悪戯と言っても過言ではない。そう、これはドッキリだったんだよ!」
「な、なんだってーー!」
うむ。ノリに磨きが掛かっているようで安心したよ。
しかしながら、どうしてドアが崩れ落ちたんだろうか?
俺としても力なんて入れてないし、残骸だって綺麗に山になってる。
「おはようござぁ!?何ですかこれ!?」
起きてきたリリが扉に気付き、大声をあげた。
不味い!リリは最近守銭奴の気が滲み出ている!
ここは全力で回避するしかない!
「聞いてくれリリ!それはこのケビン君がやったんだ!
なのにケビン君は俺に罪を着せようとして言いがかりを―――」
「何いってるんですか!?僕なにもしてない、って言うか壊したのタケルさんじゃないですか!」
「バカを言うな!扉を壊すなんて言語道断だぞ!
まるで殴ったように砕けているじゃないか!」
「殴ったんですか!?」
「違う!普通に開けただけだ!」
「普通に開けただけであんなになるわけないでしょう!?」
「俺は悪くない、扉が悪いんだ!」
言い合う俺とケビン君を他所に、リリが「経費が…掃除だって…」と呟いている。
でも怒られるの嫌だし、ここは何がなんでもケビン君に罪を被って貰おう。
「扉のせいにしないでくださいよ!
扉だってただじゃないんですから!」
「あんな脆い扉作った奴に言ってこいよ!
そんなんだから開いた勢いで砕けるんだ…よ?」
ガシッっと、俺の肩に小さい手が置かれる。
振り向けば眼だけ笑っていないリリの顔があった。
「タケル様?貴方がやったんですね?」
怖い。こんなに小さくて可愛いのに、怖い。
「違っ―――え?」
”ゴッ…シュゥゥゥゥ…ドゴスッ…パラパラ…”
「………………」
「「………」」
い、今起こったことを有りの儘に話すぜ!
「違う」と否定しようとして(ホントは違わないけど)右手を横に振った瞬間、
たまたま置いてあったイスに手がぶつかり、イスが放物線を描きながら飛んでいき、壁に激突して粉々になった。
な、何をいっているか解
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