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幻のIS小説のプロットの更なる続き。
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、自分の地位と生徒の安全を天秤にかけたんだよ!あの胡散臭い兎女の甘言に乗って、自分が傷つかねぇ方を選んで、弟はあの様だ!生徒の命がどうでもいいんなら最初から薄っぺらい責任なんて説くな!!どうでもよくねぇってんならもう一度現実を見て見ろ!!テメェが一体誰の何を護ったのか、織斑の前で言ってみろよッ!!」。その言葉は、ジレンマを抱えた千冬にとって最も残酷な言葉だった。
 苦しい判断を迫られた中で、親友を信じてしまった。だから一夏は死にかけている。それが端的な答えだった。千冬はこれまでも生徒のことを一番に考えていたつもりだ。真人がちゃんと他の生徒とコミュニケーションを取れているかどうか、こっそり覗き見をしていたこともある。そんな千冬の「最善」の結果が今だった。

 千冬は気付いてしまった。世界最強の肩書と、学園教師の教鞭。その二つを手に持ってしまうと、もう他の物――護る為の剣と、一夏を握る事は出来ないのだ。もっと早く気付いて手放していれば何の問題もなかったのに、自分はなくしてはいけない方を手放してしまった――これ以上喋るのは無駄だとその場を後にする真人を背に、千冬は大いに悩むことになる。
 生徒。今まで社会に送り出してきた生徒。これから送り出していく生徒。叱った思い出、褒めた思い出、涙を隠して見送った思い出――思えば千冬は学園教師になってから、どう生徒と接するのかに悩み続ける日々だった。悩みに悩んだ末に、千冬は一つの結論を出す。
 悩み続けながら、出来る事をしていく。最も基本的なのに、千冬はそれが出来ていなかったのだ。

 その後、結局真人は候補生たちと共にゴスペル迎撃に向かうが、ここで連戦のダメージを修復しきれなかった真人のミソラスが限界を迎え、護衛のアレーシャの援護も虚しく戦闘不能になる。その後、一夏が決着をつけるまでの間、真人は気を失った状態で水面を彷徨い、予備ISで救助に来た千冬に助けられる。
 千冬はガタの来ていたミソラスで戦った真人を一方的に咎めたのち、「二度目は起こさせない」と呟く。それは、いつの間にか日和見になっていた千冬が、次からは立場を越えて戦いに参加することの一方的な意思表示。真の意味で「生徒を護る教師」となる事の宣言だった。一夏によってゴスペルが止めを刺される光景を見ながら、真人は偉そうに「出来るならやってみろ」と呟いた。千冬は「やってやるさ」と、青臭い若者のように頷いた。

 一方、束はまた真人が自分の予想を辛うじて潜り抜けたことに若干の不満を抱きつつも、自分の思うように事が進んだことに満足する。彼女は自由で、奔放で、自分の為にしか動かない。覚悟を決めた千冬を前に会話を交わしても、彼女はいつもどおりだった。千冬は、その笑顔が今まで自分が想像していたよりずっと残酷で無責任な笑顔であることを少しだけ感じ取り、生徒の為ならば友
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