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幻のIS小説のプロットの更なる続き。
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分がISになど選ばれなければこんな事件が起こる事さえなかったろう。「俺が産まれて来なければ、みんな幸せだったのかな」。昔から潜在的に感じていたことを、真人は吐露する。

 自分が自分であろうとすればするほどに誰かが敵になり、傷ついていく。虐めてくる相手に全力で反抗して大怪我を負わせたことは何度もあるが、その度に自己嫌悪を感じていた。自分がこんな人間でなければ――いや、最初からいなければ………。しかし、その台詞を吐いた瞬間、達姫が真人の頬を細い手で叩いた。「そんなこと言わないで、風原(フゲン)。クリューだってタイイツだって、コーリューだってカレンだって、皆あなたにいてほしい。勿論、私もずっとフゲンにいてほしい」。フゲン――それは昔、友達が風原の姓と昔の小説の登場人物をもじってつけた仇名。
 懐かしい響きに、自然と真人の頬から涙が伝う。遅れて達姫――彼女の渾名はダッキだった――以外のメンバーが病室になだれ込んだ。堂々と真人をスルーして達姫を可愛がりに行く奴もいれば、真人がいることに驚きまくってる奴もいる。一人は真人が泣いていることを盛大にからかってきた。学園にいってからも、友達はまるで変っていなかった。「成長しねぇ奴等」「それ、君が言う事と違うからね」「私は最初から完成してるわ」「じ、自意識過剰……」「俺達ってそういう集まりだからな!」。

 胸のとっかかりが一つ外れた真人は、友達に達姫の事を任せて臨海学校に戻る。時刻は既に深夜を回っていた。しかし、彼を待っていたのは項垂れる箒と、生命維持装置に繋がれた一夏だった。ゴスペルとの戦闘で一時は敵を圧倒した一夏だったが、原作通り「極めて不自然な」密猟者を庇って倒れたのだ。
 何故こんな状況になっているのか、事のいきさつを聞いた真人は千冬を睨みつけた。一夏と箒を行かせたのは千冬だ。唆したのが束であっても、千冬が行かせたのだ。仮にそれがIS委員会直々の要請であったとしても、この女は自分が護るなどとほざいていた生徒を死地に向かわせ、そして現在に至る。自分の実の弟が倒れ伏しても未だに指令室に居座っている千冬に、真人は再び激怒した。

 「そうか、そうかよ。自分の立場を護る為なら生徒が死のうが自分の弟が死のうが、それでいいってわけか……クズだな、あんた!」「貴様のような責任知らずの餓鬼に何が分かる。お前は暴れるだけで満足だろうが、私はそうではない。私の立場の重さが貴様に分かるのか?」「話を逸らすな!!テメェは世界最強のブリュンヒルデ様なんだろ!?だったら剣を握って助ければよかったんだよ!護る為のISを用意してればよかったんだ!委員会に『糞喰らえ』って吐き捨てて、自分で犠牲の出ない作戦立てて、テメェがケリを着けて来れば全部解決だったんじゃねえか!!」。千冬も言い返すが、真人の爆発的な怒りは止まらない。
 「テメェ
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